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小説『安里咲』 1 新連載 プロローグ

※この作品は小説『亜由美』シリーズの流れにありますが、単独作品としてお楽しみいただけるようにしていくつもりです。連載開始にあたって、今日明日は、プロローグとしてかなり長めの掲載となります。あんぷらぐど(荒縄工房)

 わたしは、大学に近いカフェで、居心地の悪い思いをしていた。
 五月六日。金曜日。ゴールデンウィークはこの週末まで続く。のんびりとした町は、いつになく大人びて、地元に残っている人たちのくつろぎの場となっていた。
 初夏の日差し。空まで広くなったように見える。
 アイスカフェオレの氷が溶けてしまっている。
「安里咲、なにがあったの?」
 テラス席で登美子、佐智子、映奈に囲まれている。
 居心地が悪い。
 大学に入ってから、限られた数人以外とは、あまり打ち解けられなかった。登美子、佐智子、映奈と親密になったのは、つい三日前のことだ。
 末土教授の誘いに応じてアルバイトだと思い、ある実験に参加した。それは心理実験のようでいて、一人の女性を徹底的にいたぶる、思い出すのも忌まわしい拷問ショーだった。
 あれがすべて芝居だったとしても、心には深い傷が残っている。
 あんなものに参加しなければよかった。少しでも大学に溶け込もう、チャンスがあれば教授や新しい友人と自然に話しができるようになりたい。そんなわたしの願望は、みごとに裏切られた。
 昨日、耐えきれず亜由美を見捨てて実験から逃げ出してしまった。
 彼女のことが心配でならない。かといって、自分になにかができるわけでもない。
 せっかく直接、亜由美と話をする機会を与えられたのに、あのような体を破壊するような暴力を、彼女は自分から求めていた。
 どうしてあそこまでするのか。
 理解ができなかった。
 演技などと言える範囲を逸脱していた行為……。たくさんの黒人たちに犯され、鞭打たれ、焼かれ……。
 思い出すだけでも、ゾッとする。
「黙ってちゃ、わからないじゃない」
 あのショックからまだ立ち直れていないのに、早々に実験から逃げた登美子たちに呼び出された。
 どうしたわけか、彼女たちは、わたし一人、あのあと末土教授のもとに戻ったことを知っていた。
「あれって、ウソだったのよね? 教授と亜由美は結託して、わたしたちを笑い者にしたわけでしょ?」
 三人は、トゲトゲしい口調だ。
 忌まわしいことに関わってしまった怒りの裏返しであり、同時に、自分たちは悪くないのだ、と信じたい気持ちからくる歪んだ心理ではないか。
 そう感じたが、口には出せなかった。
 耳元にはいまも、息絶え絶えの亜由美の声がこびりついている。
「だって、わたしは拷問の実験台なのよ。死んでしまったら実験ができなくなる。あの人たちはプロなのよ」
 そう言って笑っていたのだ。殺されたりはしない、プロがやるのだから大丈夫だ、と。
 そんなことはない。
 絶叫を続けたために枯れてしまった声。
 焼けた棒を乳房に押しつけられ、スタンガンを浴びて悶絶していた亜由美……。
 皮膚は焼け、腫れ、裂けていた。特殊メイクではない。わたしの目の前で加えられた、たくさんの傷……。
 いま頃は、死んでしまっているかもしれない……。
 見捨てなければよかった。
 後ろめたさがあった。
 ところが、目の前の三人はどうも、そうではないようだ。
「あんた、教授とどういう取引をしたの?」
「え?」
「そうよ。あとで考えたら、あれって四人のうち最後に残った一人を選ぶための芝居だったんじゃない? わたしたちはまんまと騙されたのよ」
 彼女たちは、傷ついた亜由美を、直接見ていない。マジックミラー越しで、作り物じみた拷問室を見ていただけだ。それは生まれてはじめて見る陰惨な光景だった。同時にパソコン画面の中の、ゲームのようだった。
 わたしは、あの部屋に入ったから、知っている。
 亜由美は傷つき、汗や小水にまみれていた。男たちはムッとするようなケモノじみた体臭を発していた。あの部屋は恐怖そのものだった。
 あれは、ホンモノだった。
 それを彼女たちに語ることなどできない。だから、返事ができずにいた。
「安里咲はあそこに戻ったんでしょう? なにをしたの。なにがあったの? なにを貰ったの?」
「なんにもありませんでした」
「なによそれ。そんなわけないじゃん」
「そうよ。よっぽどいい目にあったんじゃないの?」
「あなた、教授のお気に入りになったわけ?」
「違います」としか答えられない。
 末土教授のお気に入りになるなど、ゾッとする。
「いい。わたしたちは選ばれた四人なのよ。あなただけ、抜け駆けしたんだから、報告する義務があるわ」
「なにがあったのか、言いなさいよ」
「ズルイわよ」
 よく、そんなことが言える。ため息をつくしかない。
「教授に聞いてください」
 やっと考えついた答えだった。
「ええ。そうするわよ。レポートを出すときに、わたしたち、徹底してこのことについて、教授をつるし上げるつもりよ。場合によっては大学に訴えるかもしれないわ」
 そんなことをしても、亜由美が救われるわけではない。彼女たちはまったく亜由美のことを心配していないのだ。
 なんのために教授を糾弾するのか。
 亜由美のためではない。自分たちのためだ。
 あの教授も、あれだけのことをしたのだ。大学を去ることも含めて、たいがいのことを計算しているはずだ。
「話にならないわ」
「わたしたちだけで考えることにしましょう」
「安里咲、一人で抜け駆けするんじゃないわよ」
 三人が、黙っているわたしをあきらめて、どこかへ行ってしまうと、少しホッとした。
 彼女たちは友達とはいえない。顔見知りではあるが、あの実験ではじめて知ったのだ。彼女たちも亜由美に酷いことをした。わたしも、亜由美を痛めつけた。助けることができなかった。
 その罪悪感をあの三人は、わたしにぶつけ、今度は末土教授にぶつけるらしい。
 わたしは誰にもぶつけられない……。
 この罪悪感から逃れることはできない……。
 帰ろう。ここにいてもしょうがない。
 そう思ったとき、テーブルに影がさした。
 見上げると、爽やかな笑みを浮かべた男子がいた。
「こんにちは。剛介です。あなた、安里咲さんですよね」
「え?」
「すみません。ちょっとだけ時間、いただけませんか?」
「なんのことでしょう。わたし、帰るところなんです」
「末土教授の助手をしているんです、ぼく」
「えっ」
「ちょっとは興味あります? ナンパじゃないんです。教授からの頼まれごとなんですけど。すぐ終わりますから、聞くだけ聞いてください。そうしないと、今度教授があなたに会ったときに、確認すると思うんですよ。ぼくからなにか聞いていないかって。安里咲さんにとぼけられたら、ぼくが困っちゃうんで……」
 学生証を見せてくれた。剛介は学生で、二年先輩だ。いい加減なことを言っているわけではなさそうだ。
 亜由美のことが知りたかった。彼女がいま無事でいるのか。あのあと、ちゃんと治療されたのか。大学には戻ってくるのか。
 それにあのような実験をした末土教授のことも知りたかった。ほかの三人ではないが、場合によっては警察にでも通報しなければならない。
「ちょっとだけ助手をしていた亜由美という子がいたんですが、ご存知ですか? 彼女は今後は講義に出られないらしいので、新しい助手が欲しいらしいんです」
「それって、実験の助手?」
 あまりにわたしの表情が険しかったのだろう。剛介はびっくりして「実験? どんな?」と慌てていた。
「実験のことは知らないけど、講義の助手について、あなたがいいんじゃないかって教授に言われたのです。打診しておいてくれと」
「どうしてわたしなんですか?」
「教授が写真つきでメールをくれたので……」
 いつの間に写真を撮られたのだろう。
 あの実験のときではないか。あの実験の被験者はわたしたちだった。だからモニタールームにいた間、ずっと撮影されていたのかもしれない。
「あれっ。教授のことをご存知だと思っていました」
 知らないわけではない。ただ、公にするのはちょっとはばかられるだけだ。
「前回の講義には出ましたか?」
「ええ」
「そのとき、教授が学生を一人、壇上に呼んだんですけど、覚えていませんか」
「ああ、そうですね、亜由美さん」
「そう。犬の首輪をしていた彼女。覚えていたなら早いです。彼女の代わりが必要なんです」
「亜由美さんになにかあったんですか?」
 もし本当に末土教授の助手なら、剛介は実験や亜由美について知っているはずだ。
 あのあと亜由美が重傷で入院したか、最悪の場合は死んでいるかもしれない。
 すぐに席を立ちたいが、確かめてからでも遅くはない。もし末土教授が犯罪的な行為(すでにそうとしか思えないのだが)に手を染めているのなら、告発しなくてはならない。
 問題は、亜由美だ。
 彼女がピンピンしていて、すべてを笑い飛ばしたら、バカを見てしまう。亜由美になじられるかもしれない。
「あなたが余計なことをしたから、わたし、とんでもなく恥ずかしいことになっちゃったじゃないの」
 あの実験は限られた空間で実施されていた。関係者も少ない。それでいて、秘密にする気はないようだ。なにしろそのことをレポートにして提出しろというのだから。
 だとすれば、わたしが考え過ぎなのだろうか。
「大学なんだよ、ここは。そんなことあるわけないじゃん。すべてお芝居なんだってば」
 亜由美がいまにも、そのあたりから歩いてやってきて、そう言うかもしれない。
 自分の見たこと、感じたことを百パーセント信じているつもりでいた。しかしわずかに、それがすべて自分の勘違いであって、亜由美たちの悪いイタズラである可能性も捨て切れずにいた。
 確かめたかった。
「亜由美さんは、いま、どうしているんですか?」
「それがねえ、困ってるんです。末土教授の推薦もあって、短期留学が急に決まって、出発しちゃったんです」
「え?」
「こんなところだそうですよ」
 剛介が携帯の画面を見せる。
 南国のリゾートを思わせる石畳み。レンガの建物。光線がまぶしい。
「そこは?」
「パルダ王国です。ご存知でしょう? 天然資源が豊富で、小さな国ですけど、日本ともかなり深いつながりがあります」
「聞いたことはあります。東南アジアですね。国民の幸福度が高いらしいですね。ブータンほどではないらしいですけど」
「そうなんです。基本、貧しい人がいませんからね。政治も安定していますし。日本に比べたら天国ですよ」
「独裁国、ですよね?」
「まあ、一長一短あるでしょうね。ここに国立大学があって、亜由美さんは、今日、その国へ向かったそうです」
「今日!」
「ええ。今日ですよ。なにか、妙ですか?」


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小説『安里咲』 2 プロローグ後編

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 安里咲は思う。あれだけのダメージを受けた人間が国外に出られるだろうか。飛行機に乗るところなど想像できない。
 亜由美は無事なのだ。あれはやはり芝居だった……。
 あそこにいた、未知の言葉を話す黒人たち。彼らはその王国と関係があるのではないか。
「いいよなあ、留学なんて。そのうち、末土教授のところに、のんびりした向こうの生活についての写真とかメールが来ると思いますよ。うらやましいですよ」
「それで?」
「彼女にやってもらおうと思っていた助手を、誰かに代わってもらいたいんです」
 わたしは剛介を見た。ウソをついているようには見えない。二年しか上ではないのに、ずっと大人に見える。目が鋭いのが気になるぐらいで、ナンパされて付き合ってもいいという女性はたくさんいそうだ。
 わたしのタイプではないけども。自分が暗い性格だから、もっと明るくて優しい人が好きだけども。
「誰でもいいわけじゃないんです。ぼくじゃダメだって言われてしまいました。難しい役目ですからね」
「亜由美さんって、講義のとき、みんなからいろいろ言われていましたけど……」
「特に女性からの反発がすごかったですね。ああいう役は、誰もやりたがりません。亜由美さんはすごく頭がよくて、一発で教授に気に入られて、あれを引き受けたんですけどね。たまたまその前に申請していた留学を、向こうが受け入れたものだから……」
「そうなんですか」
「おそらく、亜由美さんはあっちの大学でしばらく心理学を勉強して、それからアメリカの大学へ移ると思います」
「アメリカ! どうして」
「パルダ王国の国立大学は、アメリカ屈指の名門大学と深い関係があるんです。かなり有名な教授がわざわざやってきて、講義をしていますし、インターネットでアメリカの生の講義に参加できたりするんです」
「すごいですね」
「あの王国は天然資源を除けば、人材しかいないわけですから。人を育てることにお金を惜しまないんですね。観光開発はしません。観光ビザはまず出ません。江戸時代の鎖国に喩える人もいますね。国土が狭いので、荒らされたくないという気持ちが強いみたいです。建物もシンガポールやドバイのような高層ビルを建てたりせず、古い植民地時代のものを、いまでも大切に使っているそうです」
「亜由美さんはすごいんですね」
「そんなことないですよ」
 剛介はさらりと言う。
「教授によると、安里咲さんの方が学力、語学力でもずっと高いらしいじゃないですか。亜由美さんは、ぼくに言わせれば少し焦っていましたね。この大学に入ったものの、目標を失いかけていたんでしょう」
 そんなことを言われたら自分だって同じだ。四月に入学し五月になって、早くも興奮は冷め、教授も学生も、自分が想像したようなレベルではないような気がしていた。
 本当にここでいいのだろうか。
 末土教授から声がかかり、実験の手伝いを頼まれたときは、チャンスがあると思った。自分の人生がこれで変わるかもしれない。この大学へ来た意味が見いだせるような出会いがあるかもしれない。
 ところが、そこで目にしたものは、自分の人生でこれまで想像したこもないような最悪の世界だった。陰湿で残虐で暴力的な世界だった。
 あれがすべて芝居だったとしても、裸の亜由美を見ているし、亜由美の肌がどうなっていたか、間近で見ている。
 演技もあっただろう。だが、実際に、亜由美も傷ついてたに違いない。
 あんな異常な世界。
 わたしには耐えられない。
 そしてさっきは、三人に意地悪なことを言われ、責められた。彼女たちにも目をつけられた。
 ますますこの大学にいる意味を見失いつつあった。
「たぶん、安里咲さんは、末土教授を誤解しています」
「え?」
 剛介はさわやかな笑顔を見せた。
「末土教授は誤解される存在なんですよ。そう仕向けているんです。困ったものです。あれでも、すごく美しい奥さんがいますし、研究論文は海外で高く評価されています」
 その話は耳にしたことがあった。
「わたしなんかにできることでしょうか?」
「できますよ。末土教授と一緒に、嫌われ者になる覚悟があるならね!」
 剛介の笑顔に思わずつられて、つい笑ってしまう。
「あ、安里咲さん、笑うとすごくきれいですね」
「やめてください」
「ごめん。亜由美さんにも怒られましたよ。ぼくはちょっと口が軽いのかな」
「あ、いえ」
 剛介は先輩である。安里咲は恐縮する。
「いいんです。嫌われ者になると、いいことがいっぱいありますよ」
「ホントですか?」
「ええ。つまらない誘いが来なくなるし、ホントにわかり合った者だけで、どんどん先に進むことができますし。第一、脳天気に楽しそうにしているバカ者どもに付き合う必要がなくなりますからね」
 安里咲はため息をついた。
 自分をなじりにきた三人の顔が浮かぶ。彼女たちは徒党を組むのが好きで、わたしのような一人でいても平気な者を嫌う。ああいう人たちと付き合うのは面倒なことだった。
 嫌われるのが前提なら、それも苦ではないかもしれない。
「でも、嫌われるんですよね?」
「そうです」
「メリットがなさすぎません? 四年も耐えられるかしら」
「大丈夫。亜由美さんみたいに留学すればいいんです」
「留学はダメです。親が許さないでしょう。お金もかかるし」
「あれ、言いませんでしたっけ。パルダ王国は大金持ちなんですよ。そこの審査に受かった学生は留学費用なんていりません。支度金のほかに、留学中もなんだかんだと手当を貰えます。世界中から優秀な学生を募っていますよ」
「うそ!」
「ホントですよ。じゃなきゃ、亜由美さんだって行きませんよ。彼女の家だってそんな裕福じゃない。この大学にはすごい金持ちの子女もいるでしょう? 普通のサラリーマンの家の子どもなんて、ぼくもそうなんだけど、まったく太刀打ちできません。まして留学なんてね」
「剛介さんは、行かないんですか?」
「受かりません。男女ともに少数の募集です。日本は特別な枠があるんです。末土教授はあの国と太いパイプがあるらしいから……。だけど、競争率はめちゃくちゃ高い。あくまでウワサですが、国立大学には王族の子女もいるわけです。とくに男の子があの国では多いらしい。その中で日本人女性への強い憧れがあるんじゃないでしょうかね。なんだか、女性の方が受かるらしいんですよ」
「ホントですか?」
 剛介の冗談だろう。
 女性が優遇されるサービスは世の中にあるものの、女子大生を優遇する国があるなどと聞いたことはない。だったら写真審査でもあるのでは。水着審査とか……。
 裸になって?
 亜由美のことを連想する。彼女はあの実験で留学に合格したのではないか。裸になってすべてをさらけ出し、向こうの国から派遣されたあの黒人たちに認められたとき、彼女は合格となった?
 まさか。
 だとしたら、わたしは留学はしない。そこまでして行きたいとは思わない。
「安里咲さんは、モテそうだから、どうします? 王族から付き合ってくれって言われたら……」
「そんな……」
 笑ったが少し不自然だったかもしれない。あの拷問をしていた黒人たちこそ、その王族の連中ではないか。
「マジメな話。ケタ違いの金持ちですからね。この大学にいる金持ちの学生どもが束になっても敵わないぐらいですから」
「そんなに?」
「天然ガスの輸出だけでどれだけ稼いでいるか、あとで調べてみたらいいですよ」
 妙な気持ちになっていた。
 あのボロボロにされていたように見えた亜由美が、いまは南国のすばらしいキャンパスにいる。そして王族の子女と一緒に、アメリカの一流大学の教授の講義を受けている……。
 もし体を使ったとしても、それは、すごいことだ。汚らわしいが、自分の力で得たものだ。わたしにはとうてい、真似できないが……。
「募集は年に一度ですか?」
「そうですね。たしか二度あったと思います。春と秋。いまからでも秋の募集に間に合うでしょう」
「亜由美さんの場合は?」
「大学に入ってすぐ申請して四月末に発表の選考で合格。五月にはもう向こうですからね。八月の選考で、受かれば九月にはパルダ王国ってことになりますね」
「期間はどれぐらいですか?」
「当初は三か月以内の短期留学ですけど、本人しだいで延長できるそうです。もちろん、向こうで卒業してもいいし、さっき言ったみたいにアメリカの大学へ移ってもいい。合わなければ帰ってくればいい」
 三か月ぐらいなら、ちょうどいい。
 もし亜由美が戻って来たら、話を聞いてみたい。選考方法さえ、ちゃんとしているのなら、厳しい父母を説得できるのではないか。
「わたしはムリだと思いますけど……」
「留学のことは、いつでもいいじゃないですか。それよりも、嫌われ者クラブに入るかどうか。それだけでも、考えてみてくれませんか? できれば、返事は今日がありがたいんですけど」
「えっ、今日?」
「末土教授はせっかちなんです。次の講義が来週火曜日、水曜日とあるんで、それまでに探さないといけなくて……。もし安里咲さんに断られたら、すぐ次の候補を探さないと」
「そうなんですか……。ほかの候補っているんですか?」
「よくわからないんですが、末土教授はあなたが一番なんです。ほかに三人ほどいないわけではないそうですが、できればその人たちは避けたいらしい……」
 あの三人だろうか。
「じゃ、えーと、何時にします? 少し考えますよね。五時半でいいですか。六時にしましょうか。この大学を出てすぐの商店街にある居酒屋、ご存知ですか?」
「ええ、まあ。行けばわかると思います」
「すぐなんで、そこに来ていただければありがたいです。あ、お金は心配しないで。これは教授の経費ですから。返事はどっちでもいいです。ぼくは安里咲さんと知り合えたし、一緒に飲めたらうれしいですから」
「わかりました」
 笑うしかなかった。やっぱりナンパではないか。
「じゃ」
 剛介は小走りにキャンパスから出て行く。
 安里咲は時計を見る。考える時間はあと四時間ほどしかない。
 誰かに相談するべきだ。
 しかし、奇妙な胸騒ぎも感じている。第一に、剛介という人間だ。信じていいのだろうか。もうほとんど信じかけているのだが。
 末土教授が信頼しているのなら、一定のレベルに達しているとみていい。
 教授の名を出してわたしを騙すとしたら、手がこみすぎている。それこそわたしが教授に電話したらすぐバレてしまうだろう。電話してみよう。
 そしてパルダ王国の話。亜由美は頑張っていたのだ。そんないい話があるから、体をなげうって芝居をしていたのである。
 みんなから嫌われたとしても、そんなものはなんの意味もない。長い人生の中で、本当に重要なものは、自分だけが進める道を見つけること。
 わたしはあの三人と同類にはなりたくない。
 たとえ、留学はムリでも、末土教授や剛介の仲間に入ることのほうが、表面だけの友情や表面だけの正義をふりかざす登美子、佐智子、映奈らと組むより、ずっと自分のためになりそうだ。
 安里咲は剛介が去って一分もかからずに、決めていた。
 居酒屋へ行き、剛介に話すのだ。「やってみます」と。
 その前に、念のため、教授に電話をした。


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小説『安里咲』 3 居酒屋

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「うれしいですよ。教授も喜びますよ」

「はい。安里咲さんが引き受けてくれるそうです。ぼくから説明しておきます。あ、代わります」

「安里咲さん。ありがとう。事前の打ち合わせをしないので、ぶっつけになるんだけど、剛介君からの説明をよく聞いておいてほしい。とにかく朝一番の講義なんで、大変だけど、よろしく頼むよ」
「はい。わかりました」


「亜由美君はちょっとやりすぎたけど、あれは彼女の演出だからね。ああいうことをしないと留学できないってわけじゃない。安里咲さんは安里咲さんらしいやり方でいいと思うよ」






「ふー。先生は喜んでいたねえ。とりあえず、乾杯しよう。安里咲さんは、なにを飲むの?」
「ビール」
「お、いいね。じゃ、生二つ!」

「はい、生二丁」

「じゃ、かんぱーい」



「ぷはー」

「すごいですね」

「笑うと左右にえくぼが出るんですね」
 

「マスター、生おかわり二丁」



「あれ、わたし、おかしいわ」


「大丈夫?」
「帰らなくちゃ」
「少し、休んでからのほうがいいよ」


「え? でも……」



「少し、多すぎたんじゃないか」



「ふざけるなよ。野性の熊じゃないんだぜ」



「あとは、誰が来るんだ?」

「じゃ、四人が五人か」
「十分でしょ」
「おれが合図するまでは、入ってくるなよ」
「了解!」


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小説『安里咲』 4 逃げられない

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「あっ」





「やっと気づいたんだね」



「何時だと思ってるんだ。もう十時過ぎたんだよ」
「えっ」
「今日は早じまい。閉店ガラガラさ。それにしても、ビール二杯で失神されるとはなあ」
「お願いです。誰にもなにも言いません。このまま帰してください」
「うん。そういうことはあとでいいじゃん」



「騒いでもいいよ。誰も来ないけど」

「冗談ですよね?」
「うーん、冗談といえば冗談。冗談じゃないと言えば冗談じゃないんだな」
「これは犯罪です」
「うん。そうなるね。それで?」
「それでって……」
「話をするだけだよ」




「亜由美のこと、どう思った?」
「え?」
「拷問実験で君は亜由美にすごく同情的だった。4人も呼んだのに、亜由美のところに直接行ったのは君だけだ」
「だって、あんな酷いことをされて……。あんな実験、いくら自分で考えたといっても……」
「信じられないか?」
「あたりまえです」



「亜由美が外国に行ってしまったので、みんな困ってるんだよね」




「一種のAVなんだよね」


「亜由美は自分からこのゲームの企画をして、自分で出演したんだよ。海外でも配信されていて、ちょっとした金持ちになってる」



「ああ、これはね。海外のサーバーから配信してるんだよ。だから、収入はドルだけどね」


「こんばんは」

「座敷ですけど、合図があるまで待機だって」





「うわっ」



「おお! なんだ、どうする気だ」


「がっ!」



「ぐうっ」


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小説『安里咲』 5 レイプ願望

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「うううう」



「機材は?」

「すぐ用意します」



「やめてください!」

「離して!」


「そこでいいよ」


「なにするの!」
「名前は?」
「いや!」
「名前は?」
「やめて。あなたち、これは犯罪よ!」
「名前を教えてください」




「名前を教えてほしいなあ」


「あ、いや! だめ!」

「名前を言ってみてよ」
「あ、安里咲」



「安里咲。いい名前だね。安里咲はレイプって知ってる?」
「レイプ!」

「レイプ映像のファンってけっこういるんだけどさ」
「そんな……」
「安里咲ちゃんはレイプ願望があるって聞いたけど、ホントかな?」

「あるわけないでしょ!」
「またまた」

「ありません! レイプなんて……」
「安里咲ちゃんはレイプ願望があるって聞いたんだけど、そうなの?」
「いや! ぜったい、いや」



「はー、はー、はー」





「お願い……」



「げえっ」


「ああああ」


「危なかったね。死ぬところだったよ」
 


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プロフィール

あんぷらぐど

Author:あんぷらぐど
 アクセスいただきありがとうございます。このブログは18歳未満はお読みいだけないアダルトサイトです。
 表現上、お食事時にはふさわしくないときもありますので、お気をつけください。
 なお本ブログに掲載している作品の著作権はあんぷらぐどに、出版権は電子も含めて荒縄工房にあります。無断転載・印刷・流用はできませんのでご注意ください。

 荒縄工房の取説もご参照ください。

 現在の掲載日程
※2017年7月27日からは下記の予定となっています。

火曜日・水曜日
 淫虐の楽園
木曜日・金曜日
 君の泣き顔が見たい
土曜日・日曜日
 変態ですみません
月曜日
 妄想絵物語(イラスト・月工仮面さん)またはコラム
 月は休止の場合あり


「荒縄工房」は通常、午後1時頃までに更新予定です。更新をお知りになりたい方は、ツイッターをフォローいただければ幸いです。
 更新手続きしてもブログ上ですぐに反映されない現象が出るときがあります。ツイッターでお知らせしたURLでその記事を読むことができますので、お試しください。
 ※ツイッターを休止・停止しているときは、FBページ「荒縄工房 電子書籍部」でお知らせしています。



 SM研究室は、バックアップ用です。

「荒縄工房」全作品リスト


●刊行作品についての解説・目次などは、
荒縄工房 オリジナルSM小説の世界をご参照ください。

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 ここで取り上げている作品はすべて、フィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。また、特定の団体、宗教、人種、性別などを誹謗中傷する意図はありません。

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ペンネーム「あんぷらぐど」
1970年代からのSM小説を読み、書き。「仲ゆうじ」などのペンネームで「SMセレクト」などに小説を書かせていただいておりました。
未発表作、新作などを随時、お読みいただきたいと思っています。

今日も上機嫌ってわけないだろ
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