美魔女狩り 喜瀨満子編 1 このぐらいじゃ失神しないのね
すらりとした足。黒いスパッツに赤いレスリングシューズ。格闘をするには細すぎる足だが、鞭のように空中でしなると、膝が先に水平に動き、ついでシューズの甲の部分が一瞬で、剥き出しの脇腹に食い込んだ。
「あはっ!」
小麦色の肌をした、小柄ながらもがっしりとした体型の女性が、サンドバッグのように鎖で天井から吊られている。手首はその鎖をしっかり握っている。宙に浮いた足には、鎖が巻き付き、重石としての水を入れたタンクにつながっていた。
「どう?」
回し蹴りをしたのは、長身でスリムな女性だった。小刻みにステップを踏みながら、次の蹴りを狙っている。
「上達したわ」とサンドバッグが答えた。
「すごく、的確だった……」
「そう?」
「ええ。満子様がもし、私ぐらいの筋力と体重があったら、間違いなくダウンしたわ」
「あら、そう? 効き目はいまいち?」
「十分よ。同じ体重の男よりはキツイ」
汗だくの人間サンドバッグは、筋肉質ながらも魅力的な乳房の持ち主だった。
広い庭に差し込む冬の陽光が、部屋の中まで差し込んでいる。空気を入れ換えるために細く窓を開けているが、室内の熱気はその程度では下がらず、窓の一部が曇っていた。
肌のかもしだす甘い香りが充満している。
喜瀨満子(きせ・みちこ)は、ファイティングポーズをとると、さらに足を高く上げて、回し蹴りを繰り出した。
「あふっ」
小麦色の乳房を、レスリングシューズのつま先がかすめた。
「ああ、お願い。そこは急所だから……」
「コーチ。ちゃんと教えて。もう少し上を狙うときはどうするの?」
「うううう」
吊された女は、自身の急所を蹴る方法を、喜瀨満子に教えているのだった。
「た、高い場所を狙うときは、もう半歩、踏み込まないとだめ。頭部なら後頭部を狙うぐらいに深く踏み込まないと届かないわ。ためしに、蹴りたい場所に足をかけてみて」
クールな微笑を浮かべた美しい顔立ちの満子は、一歩踏み出し、静止して左足を高く上げていった。シューズの甲の部分を、犠牲者の右の乳房の横にあてた。
「こんな感じ?」
「そう……。深くえぐるぐらいの距離じゃないと、相手もとっさに避けるのだから、当たらないわ」
「じゃ、やってみるね」
「えっ」
脅える彼女にかまわず、満子は元の位置に戻り、構えると、絶対に反撃してこない相手であるにもかかわらず、ボクサーのようにリズミカルに体を揺らしながら接近し、正確にさっき計測した位置に軸足を踏み込むと、いっきに左足を蹴り込んだ。甲の部分が乳房の横に食い込む。
「ぎゃー」
悲鳴。そして鎖がチャラチャラと鳴った。
その感触の確かめるかのように、今度は右足で左の乳房を蹴った。少し遠く、つま先が乳首の横をかすった。
それが悔しかったのだろう。満子は連続で回し蹴りをし、確実に左の乳房を蹴り上げた。
「がはっ」
吊された女は一瞬、息もできなくなり、天をあえぎ、涎を垂らした。
「さすがね。孝江ちゃんは、このぐらいじゃ失神しないのね」
満子は孝江と呼ばれた女の乳房を、指で確かめる。
「少し赤くなってるわ」
衝撃を受けた部分が腫れている。
そしていきなり、呼吸も満足にできていない孝江の唇を吸った。
満子の唇は薄い。一方、白目を剥いている孝江は、情熱的な分厚い唇をしていた。
「今日のレッスン、ステキだったわ、先生。次は膝蹴りを教えて。いやらしいことをしてくる男を悶絶させたいの」
「は、はい」
孝江はようやく答えた。
満子は彼女の足を自由にしてから、丈夫な木製のイスにのって、天井から下がる鎖を解いた。大きな南京錠で留められていたのだ。
床にへたり込む孝江を、「スキあり!」と子供のように叫び、イスから飛び降りながら拳を打ち込もうとした。

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