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新連載 かげりあい 1 別人

 こんにちは。あんぷらぐど(荒縄工房)です。今回からはじまる新連載『かげりあい(翳愛)』は、いままでの作品とは趣がかなり異なっております。「SMはどうした!」とおっしゃられるかもしれませんが、私にとってはこれもSM小説なのです。しばらくの間、お付き合いいただきますよう、お願い申し上げます。

別人

 千紗がわたしに口紅を塗ってくれています。その白い指。微かに頬に当たる彼女の息づかい。そして肌の温もり……。
「どう?」
 鏡の中で、千紗が微笑みました。彼女は鹿の子絞りの暗い紺の浴衣。わたしとは四つしか違わないのに、落ち着いています。もっと派手なかわいい浴衣にすれば、と提案すると「だって、まだ今年のことだから」と言うのでした。
 兄の死。兄の嫁としてこの家に来た千紗は、もうここにいる理由はありません。
 納骨をすませたら、びっくりしたことに夏も盛りになっていました。兄が突然事故で亡くなったのは、まだ春というには早い3月初旬のこと。葬式の間、ずっと寒くて震えていたというのに。あれからずっと体も心も冷え切ったままだったような気がします。
 うっすら汗をかく自分がいます。
「別人みたい……」と、わたしは明るく答えました。実際、別人です。
「すてきよ」
 千紗の微笑みは勇気をくれます。
 わたしは今日、はじめてお客様の前に愛子として立つのです。
 自宅を改造した古民家カフェ「貴紗良(きさら)」。それは兄が残したもの。ほかにも借金や保険金やそのほか、いろいろな面倒なことも残したのですが、それは千紗が気丈に解決してくれました。
 店を開けましょう――。
 千紗は納骨した夜に、そう言ったのです。
「え? 本気なの?」
「ええ。でも、そのかわり、あなたにも手伝ってもらうわ」
「だめ。むり」
 人前に立つことなどとうていできません。兄と違い、醜く、鈍くさいわたしは、どんな仕事も長続きせず、とくに他人とうまくやることができず、なにもしないままにこの家の隅で三十歳になっていたのです。
「愛子ちゃん。人間としてあなたを認めているの。愛子ちゃんも一人で生きていけるようになりなさい。じゃないと……」
 義姉は言葉を飲み込みました。おそらく「ここを出て行くこともできない」と続くのではないかと思ったのです。
「おねえさま」
 わたしはその夜、千紗の膝で泣きました。それは懐かしい母のような感触。そして兄が愛した女性の肉体。普通の女性なら、わたしがこんなことをすれば「気持ち悪い」とか「どけよ!」と言うでしょう。
 でも千紗は受け入れてくれました。
 彼女のためにも、がんばらないといけません。
 メイドの服を千紗が取り寄せてくれました。彼女の思いのこもった服なのです。ローライズの下着をつけ、腿まであるストッキングをはきます。
 ですが裾が長く足はほとんど隠れてしまう黒いワンピース。不格好なわたしの体形を隠すために考えてくれたのだと思います。
 お店の雰囲気に合うクラシックなメイド。
 胸元に白い布で切り替えがあり、3つのボタン、肩にはフリルがついています。スタンダードカラー。臙脂色のタイ。髪は胸元まである黒髪のウィッグ。大きめの白いメイドキャップで、なんとかかっこうをつけます。
 鏡の中のわたしは、まったくの別人。
「うそだろ!」
 開店して最初のお客様は男2人でした。わたしはうつむいて、水の入ったグラスを出し、注文を待ちました。
 彼らはわたしの顔をマジマジと見るのです。
「お前、友和だよな」
 聞きたくない名前。わたしは千紗が用意してくれたネームプレートを、彼らに示しました。腰にまいた白いエプロンについているのです。
「愛子です」
「ふざけるなよ。化粧したってわかるぞ」
「ずっと引きこもっていたって聞いたけどな」
 すっかりおっさんになっている彼らに気づかなかったのです。同級生。いまから十年以上も前にちょっとだけ行っていた学校。なんにも思い出はありませんが、彼らとは幼稚園からずっと一緒だったのです。
 普通の子どもだった時期があったのです。
「だけど、よかったよ、とにかく」と一人がニッコリと笑ってくれました。
「まあ、そうだよな」ともう一人もうなずいてくれました。
「そういうことだったのか」と彼らは驚いたままです。
「ご注文はお決まりですか?」
 わたしは何百回と練習したセリフを言いました。
「アイスコーヒー」と彼らが言い、とりあえずいきなり帰らないでくれて、ありがたいと思いました。
 奥にいる千紗にオーダーを伝えました。
「ハラハラしたわ」
 アイスコーヒーを用意しながら千紗が笑いました。
「怖いです」
「大丈夫よ」
 初日は、あっという間でした。昼には何組もがランチにやってきました。そこにも同級生やその家族がいました。


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義姉母乳ペット 吉澤留美義姉母乳ペット 吉澤留美


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かげりあい 2 フランケンシュタイン

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「すごく、かわいいじゃない」
 女子の同級生に言われました。それはとてもうれしいことでした。もう、名前も忘れてしまっていますが……。
「これからは、愛子って呼ぶね」
「ありがとうございます」
 何百回と練習したので、お礼もよどみなく言えます。
 裏は雑木林。近所には小高い山もあり、小川もあり、田畑もあるものの、住宅地が急激に拡がったこともあって、知らない住人が増えていました。
 その人たちにとっては、自転車で気軽に立ち寄ることのできる「貴紗良」は便利なスポットになっていました。
 兄の死によって、そこが閉鎖されるのではないかと思っていた人たちは、わたしが何者かなど、どうでもいいことでした。店が開いたこと、美しい千紗が引き継いでいることが話題なのでした。
 朝は9時から夜は7時まで。掃除が終わると8時頃になります。
 遅い夕食はわたしが担当します。残りもので作る料理を千紗に教わりました。
「明日も暑いらしいから、冷たいものが出るわね」と千紗。
「わたし、気づかれました」
「え?」
「同級生が来ていたんです」
「そう。なんか言われたの?」
「別に」
「よかったじゃない。この店に、あなたみたいなきれいな娘がいるなんて、驚かれていると思うわ」
「そんな……」
 わたしほど醜い者はいないのです。今日のことが、とても恐ろしいことのように思えてきました。みんなに知られたのです。
 あいつ、オンナになっていたぜ――。
 バカなんじゃね?――。
 気持ち悪いやつだと思ったけど、ここまでとはなあ――。
 みんなにウワサされているような気がします。この気持ちに潰されてしまいそうになります。また部屋に閉じこもりたくなってしまいます。だけど、いまはダメ。それに千紗がいてくれるのです。
 わたしのおねえさま。
「明日もがんばろうね」
「はい」
 明るく返事をしたつもりでしたが、今朝ほどの自信はなくなっていました。
 子どもの頃に見たフランケンシュタインの映画。モノクロですが、村人たちに追われて悲しく叫ぶ怪物に、涙が止まりませんでした。
 あれは、わたしだ、と思ったのです。
 夜中に松明を持った人たちがここに押し寄せてきて「化け物を出せ!」と義姉に迫ったら……。
 雑木林に逃げるのですが、追っ手は足の速い猟犬の群れをけしかけ、わたしはその鋭い牙に足をズタズタにされるのです。
「こんなところにいやがったか」
 同級生たち。松明に照らされて赤鬼のような顔をしています。
「ぶっ殺す」
 みんなが猟銃をわたしに向けるのです。
 店を開くと決めてから、そんな悪夢をよく見るようになりました。
 ですが、立ち仕事に疲れ切ったのか、気づくと朝で、悪夢は見なくてすみました。
「おねえさま、おはようございます」
 少しでも早く起きることができて、湯を沸かしているとパジャマ姿の千紗が起きてきました。
 すっぴん。そしてパジャマを突き上げているふくよかな乳房。
 醜いわたしの部分がうごめき、固くなっていくのです。
 ああ、嫌。こんな自分が恥ずかしいです。
「おはよ!」と千紗はおどけて言います。「さすがに年ね。起きられなかったわ」
「わたしがやりますから」
 紅茶を入れ、トーストを焼き、目玉焼きを作りましたが、それが限界でした。
「野菜もとらなきゃ」と千紗は手早くサラダをつくりました。とてもかないません。
 この店、兄の残した唯一の収入源を再開させると決めてから、わたしは千紗から特訓を受けました。接客だけではなく、コーヒーなどのドリンクの作り方から軽食まで。
「カフェの学校に行くべきよ」
 千紗は何度かそう言ってくれましたが、頑なに拒絶し続けました。ここは店である前にわたしと兄の世界だから、そう思うことでなんとか踏みとどまっていられるのです。
 ですが、ここから自転車に乗って駅まで行き、そこから電車を乗り継いで調理学校へ行くなんてムリです。
「せめて、運転免許は取らない?」
 だめです。見知らぬ教官と2人だけで教習車に乗ることが、おそらく不可能です。そもそもわたしのような者は、自動車を運転するべきではないのです。人をはねたりしたら……。


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かげりあい 3 あの人、カッコいいですね

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「やめて!」
 千紗が懇願します。くりっとした肩が浴衣から出ています。縄がぎっちりと彼女にかかっています。腕が背中にひねりあげられて、幾重にも縄にからまれて、大きな結び目になっているのです。
「どうして、こんなことするの?」
「おねえさま」
 わたしは落ち着いていました。最初の嵐は過ぎたのです。
 ドキドキは止まりませんが、ボウッとなるほどではありません。
「どうしてわたしを裏切るの?」
「なにを言ってるの。愛子ちゃんを裏切ったことなんてないわ」
「あの工事の人と、なにをしようとしていたの?」
「なんにもないわ!」
 目を開くと、お店は昔のとおり。
 浴衣姿の千紗は、微笑みながらコーヒーをカップに注いでいます。
「いいわ。ゆっくり、世界を拡げていけば」
 モーニングコーヒーの時間から4組のお客様が来て、席はいっぱいです。千紗が対応してくれている間、わたしは自転車で近くの農家に行き、今日の野菜を受け取ってきます。
 兄は自分でも畑を持つ計画でした。もともと農家ではない者が農業をすることは、いろいろ難しい面もあって、近隣の農家と契約して栽培してもらう方法をしばらく続けることにしていたのです。
 わたしはただカゴに野菜を積んで戻ってくるだけ。日焼けをしたくないので、つば広の帽子に、赤いトレーニングウエアが普段着です。
「友和。じゃない、愛子」
 待ち伏せをしていたのでしょうか。店まであと少しというところで、3人の同級生がクルマから降りてきて、囲まれました。
「本気なのか?」
 もじもじしてしまいました。何年も他人と会話をしたことがなくて、こういうときの言葉が出て来ません。
「おい」といきなり股間に手を伸ばしてきました。
「あっ」
 逃げようとしたのですが、自転車を離すことができず、後ろから別のヤツがわたしを押さえこみました。
「なんだ。あるじゃねえかよ」
 彼らはニヤニヤと笑っています。
「女装だな」
 戸惑っていると、「しばらく姿を見ないから、引きこもりだってウワサだったけど、昨日のおまえを見て、手術したんじゃないかって話題になってさ。確かめたかったんだ」と言うのです。
「やめてください」
 やっと声が出ました。
「マジ、女みたいだな」
「美人姉妹の喫茶店って、けっこう話題になると思うよ」
「ワケありだけどさ」
 三十になった同級生たちは、ただのおっさんです。
 彼らは一緒のクルマに乗って、仕事に向かいました。
 ホッとしました。
 世の中は怖いことばかり。気持ちは暗くなっていきます。
 作業着姿で長身の男が、裏口で千紗と会話をしていました。
 あの男。
 千紗は笑っていました。
 久しく見たことのないステキな笑顔です。
「愛子、紹介するわ」
 水周りの修理に来てくれた人でした。日焼けして、筋肉が発達し、カッコいい人です。
「愛子さん、キレイですね」
 臆面もなくそう言って、真っ白な歯を見せるのです。
 頭がおかしくなりそうです。キレイなはずがないのに。千紗が喜ぶから、みんなそんなお世辞を言うのでしょう。
 修理の見積もりだけだったそうで、また来ることになるようです。
 うれしそうな千紗。
「洗いましょう」
 野菜を2人で洗います。
「おねえさま、あの人、カッコいいですね」
「そうね。野球選手だったんですって」
「好きになっちゃいそう?」
「え?」
 義姉の顔が強ばりました。
「バカなことを言わないで」
「でも、すごく、うれしそうだから」
「やめて!」
 ピシャリと言われました。
「もうランチの準備が忙しいんだから、黙って仕事して」


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かげりあい 4 奇妙な思いがわたしを狂わせました

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 千紗は別の作業に取りかかります。
 野菜を丁寧に洗い、彼女がパンパンと挽肉から空気を抜いているところに運びました。
「あ、そこはダメよ。生野菜と肉を一緒のところに置いたらダメなの」
「ごめんなさい」
「これは、念のため、もう一度、洗って」
 怒られました。わたしはもう一度洗いなおして、慎重に野菜を並べました。
 バッドに並ぶ手製のハンバーグ。ラップをして冷蔵庫に入れています。
 浴衣に割烹着。その背中から腰へのなまめかしいまでの曲線。
 千紗はわたしにはないものをすべて持っています。わたしは醜いだけの存在……。一生、千紗を慕って生きるしかないのです。
 ですが……。
 その夜。疲れているはずなのに寝付けず、しとしとと降る雨の音を聞きながら、扇風機をつけました。
「ああ、どうしたらわかってくれるの?」
「わかってるわ、千紗のことは」
 冷たい言い方ができる自分にびっくりします。
 縄にからまっている浴衣の襟を、力尽くで広げて、千紗の乳房を剥き出しにしました。
 白くふくよかな肉体。
「これが、あの男のお気に入りなのね?」
「そんなんじゃないの」
 外は雨です。近くに家はないので、千紗が叫んでも、誰にも聞こえないでしょう。
「このオッパイがいけないのね」
「やっ、愛子様、お願いです!」
 やっと千紗はわたしのことをちゃんと呼んでくれました。愛子様。そうよ。それでいい。
 わたしはその乳房を掴みました。
「あっ」
 こんなにステキなものが義姉にはある。わたしにはありません……。
 ふとよぎる幻想の意味が、まだよく理解できていません。
 店として使っている土間とテラス。その隣にキッチンがあり、廊下で座敷につながっています。平屋です。もっとも奥がわたしの部屋で、フローリングにベッドです。一部屋、クローゼット代わりに使っている部屋をはさんで千紗の寝ている座敷があります。そこは和室です。千紗は布団を敷いて寝ています。
 兄と毎晩のように睦み合っていました。
 わたしにはわかるのです。千紗の存在はこの家には異質です。兄の呼吸や足音に比べると、千紗はすべてが別のもの。
 だから、わずかな空気の振動でも、それが兄によるものか、千紗によるものか、わかってしまうのです。
 それにあの頃の千紗は、いまよりもずっと朝は疲れた表情で、それを隠すのが上手でした。
 引きこもりのわたしは、家の人にわからないように、様子を見ていました。
 廊下は見通せるので、誰がなにをしているのか、わかるのです。トイレや風呂に行くのもわかります。
 古民家カフェとして改造した部分には、以前、広い座敷がありました。父母と祖母が寝起きし、食卓にもなる場所です。
 祖母が亡くなり、父母も介護が必要になってきたころ、兄は勤め先をやめて、この家にカフェを併設させたのです。
 兄が千紗を連れてここで暮らすようになって、雰囲気は一変しました。
 兄は千紗とセックスしている……。
 あの女を抱いている。
 ペニスをヴァギナに入れている。
 奇妙な思いがわたしを狂わせました。
 わたしは何者にもなれず、苦しみ、引きこもり、心の中の嵐に耐えていました。
 あの頃、どうしてこれほど苦しく、辛く、めちゃくちゃな気持ちだったのか、いまでもよくわかりません。
 兄は父母とともに、一瞬でこの世を去りました。事故。信号を無視して交差点に突っ込んで来た改造車に、兄が運転し父母を乗せたワゴン車は横からぶつけられ、数回転し、炎上したのです。
 現場の写真を見せられて、わたしがもし免許を持っていたら、加害者になっていかもしれないとゾッとしたものです。
 だから免許は取れないのです。
 父母は足が不自由でしたので、混雑するお彼岸よりも早めに墓参りがしたいと言い、その帰りでした。
 千紗が同乗しなかったのは、わたしのせいです。わたしはその頃、廊下までは出るようになっていました。
 なぜか衝動的に廊下を走りたくなるのです。ドタバタと。
 ですから、留守中になにかをしたらいけないと、見張る人が必要でした。免許はあっても、運転の苦手な千紗が残ったのです。
 逆だったら、どうなっていたでしょう。
 兄が残り、わたしと二人きりなら……。
 それはもっと悪い未来。
 父母も兄も失ったけど、千紗を残してくれました。
 わたしのために。


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かげりあい 5 愛子として死にたいのです

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 古民家カフェとして改装するときには、何十人もの職人が出入りしていたのですが、あのあたりから、わたしの中でも変化があったのだと思います。
 水道工事のカッコいい男もその中の一人でした。
「いいじゃないか」
 兄が父母をクルマで連れていったので、千紗とわたししかいません。わたしは引きこもりで、ときどき廊下を走るだけ。
 あの男は千紗を抱き締めたのです。短いスカートが完全にめくれあがり、太ももが露わになりました。
 三月とはいえ、春はまだ遠く、寒い日が続いていたのに、千紗はそんなかっこうをしていたのです。
 男の手が股間に伸びます。
「だめよ」
 嫌がっていない。
 長いキス。
 とても長いキス……。
 この幻想は黄昏の山の稜線のように、現実との境目がどんどん、わからなくなります。
 千紗が同じ屋根の下で暮らすこと。カフェに改装されること。兄がカフェを始めること。大きく変わる環境に、心も影響を受けたのだと思います。
 自分はカフェでメイドになる。
 勝手にそう決めていました。誰にも言えませんでした。
 それが天命なのだと思いました。そうか、このためにわたしは生かされてきたのだ、と。この家がカフェになるなんて。そこに美しい千紗が来るなんて。
 ひとりで興奮していたのでしょう。
 まさか老いた父母だけではなく、兄までも一度に失うとは思いませんでした。
 ですが、一人、部屋にいて、これまでとは自分は違うことに気づいていました。
 その思いを、まさか兄の妻としてやってきた千紗にぶつけることはできません。訴訟、葬儀、保険手続き、納骨……。こうした行事の中で、わたしは部屋から出ることを余儀なくされ、実際に外に出てみて、自分はこの十年の空白を捨てて歩き出せることに気づいたのです。
 それは弱々しい一歩です。他人から見れば家からはほとんど外に出ていません。クルマで寺や墓には行きましたし、いまでは契約先の農家まで一人で行けるようになったのですが、だからといって自由にどこへでも行けるわけではないのです。
 バスも電車も乗れないでしょう。
 見知らぬ人が肩を触れあうほどのところにいるなんて、耐えられないでしょう。
 もう、失いたくありません。これ以上は、なに一つ、失いたくないのです。
 自分が出歩ける場所も、お店も、千紗も。
 このまま一生、過ごしていければどれほどいいことでしょう。
 ジブリのアニメ世界に定着したかのように、わたしは世間から見れば静止した背景の中にたたずみ、一生を終えるのです。
 そのとき、店があり、千紗がいる。それは絶対に譲れない条件です。
 悶々とした夜が更けていくとき、ふと、廊下の軋む音がしました。千紗。トイレのドアを開けました。チョロチョロと便器を打つ液体の音。流す音。洗浄する音……。
 美しい彼女が便器にお尻をつけている姿。
 醜いわたしが固くなっていきます。
 思わずそこに手をやります。醜いものをそのままにしておくことはできないからです。ティッシュの箱を近くに持ってきます。そして、激しく手で握り潰しました。
「愛子さん? 起きてるの?」
 ふいに廊下から声がしました。
 こんな醜いわたしを彼女に見せたくない。
「なんだか、蒸し暑いわね」
 独り言のように、千紗は自分の部屋へ戻っていきました。
 くうううう。声を押し殺しました。
 この醜さを彼女に知られたくはありません。わたしは愛子として死にたいのです。
「だめ。そんなことしないで」
 千紗は囁くように男に言うのですが、男は強引に彼女の足を割って下半身を抉じ入れると、大きなペニスを恥毛の茂る股間の上に、これみよがしに置くのです。黒々としたそれは千紗をにらみ付けているようで、これから押し入れば、どこまで到達するかを誇示しているのです。
「入れるからな」
 男は千紗の手を押さえつけながら、腰を揺すり、それを突き入れていくのです。
「ああ、だめ」
 身をよじって抵抗しているのでしょうが、その動きはむしろ男を助け、ペニスは濡れそぼる陰の中へ入っていくのです。
「お願い、助けて」
「だめだ」
 男は腰をぐいっと動かしました。


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Author:あんぷらぐど
 アクセスいただきありがとうございます。このブログは18歳未満はお読みいだけないアダルトサイトです。
 表現上、お食事時にはふさわしくないときもありますので、お気をつけください。
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1970年代からのSM小説を読み、書き。「仲ゆうじ」などのペンネームで「SMセレクト」などに小説を書かせていただいておりました。
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