日曜日の奴隷たち 1 夕食のおかず(前編)
奴隷たち。
あえて愛をこめて酷い言い方をするのだが、被虐的な快楽を求める彼女たちを奴隷と呼んであげることは一種の褒め言葉だと露木は考えていた。
村木和代が彼の奴隷となったきっかけは、ハプニングバーで顔見知りの男に紹介されたからで、そのときは彼女の名前も素姓も知らなかった。
「いじめ甲斐がありますよ。ただし、ちょっと都合があって、それが気に入らないのです。あなたならいいかもしれないと思ったんですけどね」
その紳士は仲間うちで予備校の経営をしているとされていた。ただ予備校に来るような若い女は好きではなく、中年の脂の乗った肉体が好物だった。
たしかに和代は30代後半にしては若く見えるものの、随所に加齢の兆しが現れていて、とくに指先や膝は生活の痕跡をリアルに示していた。それでいて、うなじ、襟元、二の腕などに吸い付きたくなるような色気がある。肌のくすみ以上にこの妖艶さは、男には刺激的だった。
和代は日曜日の朝、寝ている夫や息子たちを起こさないようにして、彼らの朝食兼昼食を作る。チャーハンやカレーが多いという。
髪に微かに油やスパイスを感じることもある。
露木はそれを楽しみにしていた。そして狂ったように乱れている彼女に言うのだ。
「悪い女だな。旦那や子どもに適当に作ったカレーを食わせておいて、自分は大好物のご主人様のマラを食べるのか」
「ああ、言わないでください。わたし、あの人たちのご飯を作りながら、すごく淫らになっていくんですから」
「メシを作りながら発情するのか。どうしようもないやつだな。厳しい罰が必要だね」
「はい、お願いします。うんときつくお仕置きしてください……」
露木は手加減はしないが、配慮はした。たとえば首、腕、手首、膝から下など、目立つところに跡が残らないように考えていた。
美しい緊縛をしたいときは、それが可能な女性にする。和代については、特殊な縄使いをした。
「くううううう、きつい……」
好きなくせに和代は苦悶する。それほどきつく責めた。
太ももと膝の裏に縄をかけて、乳房を思いきりくくりあげた縄につなぐ。ぎゅっと引き絞ると、足と乳房が連動するようになる。股間を剥き出しにして、足を少しでも動かせば乳房がもがれるような痛みになる。
「しょうがないだろう。縄目が残ってもごまかせる場所はそれほどないからな」
手首、足首にはタオルを巻き、その上から柔らかな枷をつけて、その枷にあるリングに縄を通す。直接は縛らない。
身動きできない形で床に転がされ、あそこを大きく拡げている。
朝食をつくったあと、軽く化粧をして、あくまでも友達との昼食会であるとか勉強会といった名目で外出するので、着飾ることもない。
もっとも、露木と待ち合わせて数分後には全裸になるのだから、どんな服を着ても関係はないのだが。
露木はホテルをほとんど利用しなかった。人目を避けるのが露木のやり方だった。日曜日の昼間に、ホテル街などで誰かとバッタリ会う可能性は常にある。露木のような嗜好で、少しはその道で顔が知られている場合はとても危険だった。
危険は、彼女にも及ぶ。露木とホテルに行くということは、特殊な好みの女だと知れ渡っていくだろう。紹介されたときに、すでに知られていたとしても、露木の女となればより面倒な話になりかねなかった。
女に面倒が起こると、それは露木に直接、はねかえってくる。
女がいくら露木と深く関係したと主張しても、露木はその客観的な証拠をできるだけ少なくしておきたかった。
そこで、露木は信頼できる知り合いであるとか、自分が所有している、または借りている場所を使う。
この日は、知り合いが管理している借家で、築50年の建物だった。不動産業のその人物はこうした空き屋の鍵を持っていた。
「いまどき借家でこんな古いのは借りる人がいないのよ」とその人物は言う。「大家さんに建て直すように勧めてるんだけど、相続でもめそうだからもう少し待ってくれって言われちゃって」
畳も床も掃除はされているのだが、古く、きしむ。
取り壊せばいいようなものだが、更地にして長く放置すると固定資産税が高くなるらしい。
不動産屋によれば、こうした空き屋が都内にかなりあるのだ。
和代を畳に転がすと昭和のSM雑誌に掲載されていたグラビアのような風情になる。それを露木は楽しんでいた。
ただし縛り方は彼の好みではなかったが。
勢い和代の急所に対する責めはきつくなっていく。
「今日はこれで楽しませてやる」
銀の小さなケース。それを開くと医療用の注射針がずらっと並んでいた。使い捨ての注射針ではない。消毒して使い回すタイプだ。すでに使用期限は切れているだろう。先端はそれだけ鈍り、痛みは強くなり、跡も残る。
「ううう、お許しください」
「許してあげるさ。こいつをすべて埋め込んでからね」
「きいいい」
日曜日の昼間。誰も住んでいないはずの家から女の叫び声が近所に響くのはよくない。露木は豆絞りの手拭いとゴルフボールで彼女の口をふさぐ。手拭いを2本使って、間にゴルフボールを入れ、それを彼女の口に押し込んでから頭のうしろできつく縛る。
「ついでだ。これぐらいはいいだろう」
鼻フックを見せると、彼女は嫌がった。恥ずかしく、きつい上に、鼻にあとが残る可能性もあったからだ。
しかし誰が鼻についた微かな跡を、鼻フックによるものだと想像するだろうか。
ゴルフボールによって大きく口を開けさせられているので、唇も裂ける可能性はあった。
だが、主婦の唇が切れていたとして、誰がそれを猿ぐつわによるものだと想像するだろう。
顔責めは、露木の捌け口でもあった。和代の制約を守る腹いせに逸脱した行為をしてみなければ気が済まない。
「どこがいい? どうせ針責めはチクッとするだけで、見た目ほどキツくはないんだろう?」
そう言いながら、固くしこった乳首を針先で軽く突く。
「ぐっ」
猿ぐつわが似合う女だ。大きな目を見開く。早くも涙が溜まっている。
「子どもも大きくなったし、旦那もおまえの体には興味がない。だから、いまじゃ、ここを弄んでくれる人を募集中って感じだな」
指で乳首をつまみ、ひっぱった。
それだけでも強い刺激だろう。

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