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グランドSM 1 悪い虫が動き出す

 週に1回、差し回しのハイヤーで丸の内の本社へ出て、会議を半日。昼食を近くのホテルのレストランで誰かとして、それで仕事は終わり。
 60代後半なのだ。もう60、まだ60。
 簡単に言えば、すっかりジジイだ。
 企業の相談役なんて肩書きは、みんながうらやむほど楽しいものではない。
 秘書も以前は若い女だったが、いまはエリート志向を隠しもしない若造になっている。これ以上、居心地をよくしてくれる気はないのだろう。
 ブラウスがはち切れそうな若々しいオッパイぐらい、あっても悪くはないのに。
 いつでも辞めてやろうと思いつつ、80歳になる名誉会長が元気なうちは支える約束なので仕方がない。本来はなかった相談役という立場を用意してくれたのは名誉会長なのだから……。
 こっちが相談したいぐらいだ。誰も相談に来ないし。
 せめて、先に死なないように気をつけなければ。
 家内は3年前にがんで半年闘病後にあっけなく亡くなり、家はガランとしている。
 正直、なにもかも退屈だった。
 あんなことが起きるまでは。
 家出同然で好き勝手にしていたひとり息子が事故死したのだ。死ぬときまで勝手すぎる。まるで自分を見ているようで腹が立つ。
 残したのは借金だけ。それは私が肩代わりした。やつにとっては最悪の借金でも、私にとっては大した額ではなかった。やつに残すはずだった遺産に比べれば。
 悪い話ばかりではない。
 当面、住む場所もないらしく嫁と孫が同居することになった。
 退屈よ、さらば、だ。
 家に帰ると誰かがいる生活。それも、女だ。
 女たちだ……。
 私は朝ドラに出て来るような素敵なジジイではない。長年連れ添った妻のいなくなった家に、他人が2人入ってきたことに、いろいろな意味でワクワクしてしまう。
 悪い虫が動き出す。
 妻とは病気が悪化する直前まで週1で変態的なセックスをしていたが、彼女は「あんたの悪い虫が心配だ」と言いながら死んでいった。毎年ハワイとかイタリアに1週間は旅行に行き、好きなものを食べ、ブランド品も一通り持ち、地中海やカリブの船旅もした。それでも泣きながら死んでいった。
 悲しさやはかなさは、厭世的になる人がいるのと同じぐらい、私のように無邪気に貪欲に現世を楽しみ尽くそうとする欲たかりの人間も生み出す。
 欲は死ぬまで続く。
「そんなことはない。もう60過ぎたんだぞ」
 口ではそう言ってみたが、虫は虫だ。簡単には死なない。
 そもそも、私は自分の中の悪い虫の殺し方を知らないのだ。
 孫は中●●になって、急に色気が出てきた。そして「ジイジ」としなだれかかる。その真っ白なうなじ。産毛。優しい手や、しなやかな指。なんといっても、ふっくらと盛り上がった乳房や、後ろ姿も素敵なお尻……。
 息子はマザコンだったので(私が忙しくてほとんど留守だったからでもあるが)、嫁も少し私の妻に似た感じだと思ってはいたが、孫はどんどん妻に似てきた。
 悪い虫にとって、妻は天国に行ってしまったが、それに似た若い肉体が2人同時にやってきたわけで、一種のハーレムではないか。
 かといって、私は節度のある人間でもある。
 節度のある暮らし。当然のことだ。長年の仕事によって身についた規律は、簡単には崩れない。だらしがないことはしたくない。
 朝は5時に起きる。ラジオ体操では生ぬるいので独自にアレンジした体操を15分ほどやって、風呂に入る。風呂でも体を動かす。自慢ではないがこの家を建てたとき、風呂は立派なヒノキにし、プレイもできるようにしていた。妻とのさまざまな思い出が残っている。
 自分の手足の可動域をできるだけ確保するように心がけながら、もしそこに嫁と孫が全裸でいたらと妄想もするのだった。
 嫁の貴子。孫の久美。貴子と久美。今風ではない名だが、私にはしっくりくる。息子が唯一残してくれた極上の女たち……。
 7時までに食事と身だしなみを済ませ、迎えの車が来るまで新聞すべてに目を通す。このあたりでも、7紙も取っている家はなくなった。そういう意識の高いやつは老いぼれて、老人ホームに行ってしまったか、死んでしまったか、世界一周の船にでも乗っている。
「早いね、ジイジ」
 久美ちゃんは、そう言って私の膝に無理やり乗ってくる。
「おいおい、久美ちゃんは●●生だろう」
 普通なら異性を毛嫌いしたり、ましてジジイなぞ罵詈雑言の対象でしかないはずだ。いや、眼中にすらなく、「誰?」という感じではないか。
「だってえ」
 キャバクラの子だって、そんなに甘え上手はいない。
 まさか、貴子が、そうするように仕向けているのではないだろうな。
「いい、おじいちゃんに愛想よくすれば、いくらでもお金、出してくれるわよ」とかなんとか。
 当たらずといえども遠からず。息子がいないので、私の財産はぜんぶ孫に行く。
 とはいえ、世の中に、タダのランチはない。おごってもらったら、その時点で契約は成立。それがルールだ。
 そうでなければ、わざわざホテルのレストランや料亭で食事をする意味がない。
 食わせるのだ。飲み込ませるのだ。
 食いにくく飲みにくい契約を。
「すみません、遅くなりまして」
 貴子が起きてくる。
 残念なのはスキのない服装という点だ。早朝なのだから、もう少しだらしがなくてもいいではないか。綾瀬はるかでもあるまいし。
 比べてみると、久美の方が肉感的な体型で、貴子は女性としてもスリムな方だろう。妻もそうだった。
「もう少しオッパイがあった方が」とよく言っていた。
 だが、どんなプレイでも、それが支障となったことはない。女性は自分の体型を気にしすぎる。太っていても痩せていても、長身でもチビでも、女性らしさがある限り、女性なのである。
 らしさ、という点は議論の余地はありそうだけど。私にとってはズバリ、エロいということだ。私のエロは女である。悪い虫はそこに食いつく。
 その点では、久美のエロが百点とすれば、貴子は未発達、未開発で五十点ぐらいじゃないかという気さえする。
 私に反発した息子は、母親に似た女と結婚したが、私とは違う愛し方をしていたに違いない。
 変態は遺伝しない。
 息子は母の秘密のアルバムを見ている。それは間違いない。妻は私に「見られたようです」と言っていた。もしかすると風呂場や仕置き部屋でのプレイを覗き見ている可能性もあった。ぜひ、そうあってほしかった。
 その結果、彼は変態を拒否し、家を出たのだ。
 私の思惑とはまったく違う結果になってしまった。年を重ねれば私と妻の行為にも理解を示してくれるようになるかもしれないと思ったが、その前に亡くなってしまったのだから、もはやどうにもならない。
 私は子育てに失敗したダメな親父である。
 あれほど仕事では最高のパフォーマンスで、誰もが舌を巻く交渉能力を発揮し、策士と呼ばれ、大した学歴もないのに最高の地位まで上りつめたというのに、自分の息子を変態にさせることさえできなかった。
 その点、貴子と久美でも失敗する可能性はあった。
「久美、早くしなさい。すみません、いつも」
 貴子は久美が私に媚びることは黙認している。貴子もなにか考えているのだろうから、ここはお互い様だ。フェアに戦おう。
「これから仕事かね?」
「はい。家のこと、なにも出来なくてすみません」


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今日のSMシーン


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グランドSM 2 仕置き部屋

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「そんなことはない。ムリして働かなくてもいいんだよ」
「そこまで甘えるわけにはいきませんから」
 甘えるんだ、貴子。そしてすべてを私に委ねるのだ。いつか。
 彼女は小型のベンツを運転して久美を学校へ送り、勤め先へ行く。息子のかつての同僚がやっているIT系の会社で事務をやっている。給料はせいぜい20万ぐらいだろう。
 その元同僚と再婚でもしたいのなら別だが……。
 調べさせたところ、元同僚と貴子は性的な関係はない。それどころか、元同僚はゲイなのだ。
 さらに調べたら、息子とパートナーだった可能性もあると言う。カネが欲しい探偵社のでっち上げ情報じゃないかという気もして、打ち切った。きちんと私の知っているちゃんとしたスジから脅しもかけておいたので、ビビってそれ以上はなにも言って来なかった。だから真偽は不明だ。
 息子がもしゲイだったら、それはそれで私は満足できる。変態の育成に完全に失敗したわけではないのだから。もっとも、もしも本物のLGBTというのなら、それは変態ではないことになってしまう。貴子と偽装結婚をしたのか。久美は息子のDNAを受け継いでいないのか。
 そうだとしたら……。
 いまはそんなことを確かめる気にはなれない。おもしろすぎる。息子を尊敬してしまう可能性さえある。
 つまらない仕事をして夕方に帰宅すると、すでに久美は戻っている。自分の部屋にいるのに、「お帰りなさい」とわざわざ出迎えてくれる。
 セーラー服で。
「まだ着替えていないのか?」
「うん、ちょっと」
 ソックスは脱いでいて、指をもじもじさせる。言いたいことがあるのに言えないのか。
 私が靴を脱いで廊下に上がろうとすると、手を貸してくれる。
「ありがとう。だけど、そんなジジイじゃないよ」
 久美は黙ってぎゅっと手を握る。目が潤んでいる。
 ヤバイな。
「あっ」
 むしろ久美がよろめいて、私が受け止める。
 甘酸っぱい女子の香り。制服姿で1日学校でいろいろなことをしてきたから、そのまま汗が染み込んでいる。それでいて、髪はお気に入りの高級シャンプーの香り。これは貴子と同じだ。
 彼女の背を受け止め、みおろすと、そこに膨らみが見える。思わず握りしめてしまった。
「いいよ」
 久美はそう言った。小鼻を膨らませている。
 言葉はいらない。が、女性はなにか言って欲しいときもある。
「久美ちゃん。かわいいな」
 乳房を握り締めた手は離さない。
「ふううう」
 ため息をついてさらに体重を委ねてくる。
 そう。そうやって従順に頼ってくれればうれしい。久美の思惑と私の思惑は違うかもしれない。だが、入り口は一緒なのだ。
「こっちに来なさい」
 奥にある書斎に連れて行く。書斎とは表向きで、妻は「仕置き部屋」と呼んでいた。「お仕置きをしてください」と求めてくるのだった。
 防音で音響に凝っている。天井には縦横に頑丈な梁を通し、古民家を思わせる。
 ガランとした10畳ほどの部屋だ。カーテンに隠れているが、二重サッシを開けると庭に降りられるし、そこから外を通って風呂に行くこともできる。その通路にも、旅館のように屋根はつけてある。
 雨のニオイを嗅ぎながら外でプレイするのも妻は好きだった。
 二方の壁には、妻との思い出の染み込んだプレイ道具が並んでいるほか、著名な写真集や画集も揃っている。大型の液晶画面も隠してある。
 私自身はほとんど本も読まないし、書き物もしないので、書斎など不要である。
 目につくのは、リクライニングの革張りのイスぐらいだろう。リスニングルームとして、またはホームシアターとして、そこでくつろぐこともないわけではない。そのとき、妻にイスは不要だった。
 腰かけると、久美は私に抱きつき、馬乗りになった。
 キス。
 最初から唇だ。
 下手くそ。熱意ばかりが先にくる。久美のペースをしばらく見せてもらおう。
 顎を舐め、鼻の頭を舐めた。耳を軽く噛む。
 そこで止まった。どうしていいか、わからなくなったのだ。
 では、次は私の番。
 制服の下に両手を入れて、持ち上げるように乳房を下から愛撫。脱ぐように促すと、彼女は急いでスカートを外して投げ捨てる。そしてブラウスをはだけていく。
 淡いピンクのブラとパンツ。そのパンツを指で撫で上げる。
「ああっ」
 軽くのけぞる。演技でもなんでもない。素直な反応だ。
「濡れているよ」
 先に帰宅した久美は、制服のまま、いつもは穿いているスパッツを脱いで待っていたのか。1日過ごした下着のままでいることを選んだのだ。
 彼女の妄想を確かめたくなった。ここでしくじれば、終わるかもしれない。久美は貴子に告げ口し、2人はここを去るだろう。
 いまさら1人になるのは寂しい。プレイ相手は見つかるかもしれないが、夢中になれる自信はない。その時だけの関係になってしまうだろう。変態ではあるが、人間関係は嫌いではないのだ。
 妻が私に刻み込んだ深い関係を埋めるものは、この世にはない。
 しかし……。いま手にしている、この柔らかく、そしていい香りのする肉体はなんだろう。
 なにかを埋めてくれるだろうか。
「キスを教えてやろう」
 私は彼女としっかりとした口づけをした。唇と唇。それがねじれていき、歯に触れて、彼女は鼻息も荒く、少し口を開けたので舌を入れてみる。すると奥に隠れていた彼女の舌の尖端と触れあって、電気が走る。
 よく「電気が走ったような」というが、私は本当に電気が走っていると思っている。計測したことはないが。
 人間の体は伝導体なのだ。
 愛も伝導する。変態も、たぶん。
「もっと、教えてください」
 完全に彼女は燃え上がっていた。
 では、私の流儀で愛するしかない。
「久美」と呼び捨てにした。「そこに立って」
 私から離れさせ、怪訝な表情の彼女は立った。
 濡れた唇で、自分の指を噛む。恥じらいというより、制御できない快楽に怯えているのだろう。
「やめなさい。立つときは、きおつけだ」
 優しく手を腰の横に伸ばしてやる。ブラとパンツ。下着と肌。
 私はリモコンでカーテンを全開にした。
「えっ!」
 夕方。まだ暗くなりきっていない。こんもりと茂った庭木。妻とこの家に越してきたときを思い出す。そもそもここは妻の実家だったのだが、事情があってわたしの名義になっていた。まだ新築に近かったこの屋敷は、庭木も新しく、スカスカだった。
 あれから半世紀。そもそもこの地域は隣との距離が離れた住宅地であるが、その中でもひと目を引くほどの森のような贅沢な植栽になっていた。
「脱ぎなさい」


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★『亜由美 降臨編』★
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亜由美シリーズ完結編。『一部~三部』『灼熱編』を経た亜由美が帰国。武器を身につけた彼女の復讐がはじまる。『安里咲1、2』の後日談と一体化したストーリーは最後まで目を離すことができない展開です。亜由美と安里咲の有終の美をお楽しみください。


★『亜由美 灼熱編』★


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亜由美のその後を追う「外伝」。亜由美が自ら語るパルダ王国へ性奴隷として留学させられた日々。拷問調教での傷を癒すため貨物船に乗せられ、種付けされながら王国へ。そこで待ち受けていたものは……。連載時にはなかったエンディング。


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グランドSM 3 なめらかな肌

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 庭からの光だけ。
 孫娘の久美は半ばシルエットになっている。
 瞳が光っている。彼女には私がよく見えるだろう。そのほうが、恥ずかしく感じるはずだ。
 ジジイに見られながら、制服を、そして下着を脱ぐ。脱がされるのではなく、自ら。
 欲望の意思表示をしなければならない。
 久美はブラウスを脱いだ。そして気づいたのか、スカートとともに、きれいに畳んだ。その所作が優雅だった。手足は長く、そうした行為を美しく見せてくれる。
 鎖骨のあたり、へその周辺など、随所に若さが見てとれる。
 長年、老いていく妻だけを愛してきた。衰えていく肉体をお互いに記憶と創造力で補っていた。それは不遜でも冒涜でもなく、2人で同じバーチャル空間にいるような、共犯体験だった。
 昔は妻もそのような美しさだった。久美にはすべてが備わっていた。妻よりもボリュームがあった。プロポーションも優れている。長く細い首。小顔。泣きそうな表情。
 少し口を開いて、ブラを外した。
「手で隠さない」
 ゴクンと唾を飲み、彼女はブラを丁寧にスカートの上の置いた。そして、手で隠さずにきおつけの姿勢に戻った。
 若い。大きく感じた乳房だが、全体からすればむしろ小ぶりに見える。固く尖った乳首も小さい。乳輪はほとんど目立たない。
「何カップ?」
「Dです」
「EかFじゃないか?」
「大きなブラをしたくないから……」
「だめだ。ちゃんと自分に合ったサイズのを着なさい」
「はい」
「じゃあ、パンツも脱いで」
 立ったまま、斜めにパンツをずらし、体を曲げて膝まで下げると片足をあげて、抜き取っていく。
「わかってるね」
「はい」
 久美はパンツも丁寧に脱いだ服の上に置くと、直立に戻った。
 鼠径部はあまりにも小さい。ヘソから下のなめらかな肌は、まだ男に触れせたことはないだろう。小さく盛り上がる陰唇付近に、細く柔らかな陰毛がきれいに生えそろっていた。
「剃ったの?」
「はい。夏、水着に合わせて、ちょっとだけ」
 いずれ、全部、剃ってしまおうか。そのほうが久美らしいのではないか。
 若草も捨てがたいので迷う。
「向こうを向いてごらん。回れ右」
 彼女は少しおどけて、学校で習うような回れ右をちゃんとやった。
「足を肩幅に開いて」
 体操のように。
「前に屈んで。もっと深く。もっと。膝に手をあてていいから。足の間から顔が出るように」
 柔らかい。ほとんど苦もなく前屈し、膝の裏に手をあてて顔を足の間に入れた。
「そのまま。動くな」
「はい」
 私は立ち上がり、彼女の尻を撫でた。青い尻とまではいかないが、思った以上にきれいな肌だった。ただ、もちろん汗疹や吹き出物を、指でかいたりしているのだろう。子供っぽい荒れ方をしている。
 張りのあるしっかりとした肉の触感だ。滑らかでぎっしり詰まっている。若い尻は発展途上だ。この小尻がいずれふてぶてしいまでに肉感的になっていくのだろうか。
「あっ」
 淫らな汁がツーッと蜘蛛の糸のように床へ。
 処女であったとしても、欲望は一人前だ。いや、むしろ同級生よりも強く、捻れている。そうでなければ、ジジイの前で裸になるわけがない。
 その捻れは、私には好都合だ。未熟だからこそ、素である。捻れを隠すこともなく、素のまま放り出し、彼女自身、持て余す。
 きっといつか後悔するに違いない欲望の発露。若さ。無知。
 だからこそできる冒険もある。
 彼女の尻を撫でながら、リモコンでビデオの録画ボタンを押した。この部屋には、カメラとマイクが設置されていた。いつでも記録できるし、止めることもできる。
「私はレ●プはしない。嫌がることをするかもしれないけど、その前提として私にすべてを許すこと。わかるかな?」
「はい」
「久美は、ジイジにすべてを許す? 嫌なことでも受け入れるか? それは本気か?」
「はい。本気です」
 前頭葉はまだ子供。体とホルモンが織りなす欲望は大人。そのミスマッチにつけ込む大人は、とんでもない悪人である。
「わかった」
 柔らかく指になじむ尻肉を左右に割った。
「うっ」
「久美。いま、おまえのいやらしい体を見ている。誰かに見せたことはあるの?」
「あっ。ありません」
 腰砕けになりそうになるのを支えてやり、イスの背を起こしてつかまらせた。
 リモコンで間接照明をオンにする。床と天井に光が入る。カーテンは閉じる。
 さっきより明るくなったが、密室感は増した。そのせいか、久美はやや落ち着いたようだ。
「お尻の穴」
「いやっ、恥ずかしい!」
「おまんこ」
「うううう」
「すごく濡れているんだよ。こんなに汁を垂らすなんて。オナニーは?」
 久美はなにも答えないので、お尻を平手で叩いた。
「あっ!」
 のけぞる。
 またしても感じていることが明らかだ。エロスの塊。さらに抑制を外せばとんでもない娘になるだろう。
 外してもらいたいのだ。外してあげたいのだ。
 大人は、たとえ相手がそれを求めても、責任ある社会人としての判断を下す義務がある。社会として守るべき対象。久美もその中のひとりだ。意図して外してはいけないのである。
 完全に抑制を外せるようになれば、人生は倍楽しい。社会なんてクソくらえ。
 妻は私にそう言った。
 いや、彼女にそれほどの自覚があったわけはなく、おそらく私の意図を飲み込んでのことだろう。
 だとしても、妻はそれを承知で飲んだのだ。何十年も騙されているわけなどないのだし、自分から進んで仕置き部屋に行こう、などと誘う女になれと強要できるわけもない。


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★共用淫虐妻・千春★

DLSiteのみで販売しています。小説『十二階』一部、二部を改題・改稿した作品です。
十二階に住む達也に頼まれ、千春の調教を引き受ける。彼女の奥底にある危ういまでの被虐性を知り、厳しい調教を行う。さらに達也の提案でマンション全体の「共用」として千春を住人に貸し出す。特殊なペットとして改造にも踏み出す。語り手の調教役を男性にし、一部の表現を変更。ストーリーは小説『十二階』一部、二部と同じです。



★小説『十二階』第一部★
十二階第一部
DMM.R18でのみ販売中。とあるマンションで人妻を徹底調教する。千春は夫の決断で同じマンションに住む敏恵に調教を委託することになった。激しくも甘美な調教で、昼夜を問わず若妻は被虐にどっぷりと染まる。



★小説『十二階』第二部★
十二階第一部

DMM.R18でのみ販売中。調教はマンションぐるみとなり、千春には衣服もプライバシーもなくなってしまう。住人に貸し出される人妻は、さらに苛烈な運命が待っていた。



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グランドSM 4 お母さんはどんなことをされていた?

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「久美、答えろ」
「しています」
「なにを?」
「自分で、する……」
「オナニーと言ってごらん」
「オナニー、してます」
「毎日?」
「はい」
 そう言って、勝手にのけぞる。
 この部屋に入ってから、何回いっているのか。ここには私と妻が長年にわたって捻れたエロスを染み込ませてある。その毒気に当たったのか。
 いく、と言っても小娘のことだ。まだ本物のアクメではないだろう。体が疼いてしょうがないのだ。そして軽く気持ちいい動きをするだけで、簡単に果てるのだ。
 そのお手軽なスッキリ感は、クセになるだろう。
 男のように射精で終わるのとは違い、女性は「これがアクメ」と思えばそれが頂点なのではないかと思う。確かめたことはないが、軽い絶頂を何度か味わって気が済むこともあれば、深い絶頂を求めて悶え苦しむときもある。
「お願いです。お仕置き部屋につれていってください」
 妻が懇願するのは、そういうときだったのだと思う。
 または、ただ私に気を使って、ストレスが溜まっているのではと思ったら、あえて自ら犠牲になろうとしたのかもしれない。どっちもあっただろう。
「やってごらん」
「えっ、ここで?」
「そう。気持ちよくなるように、やってごらん」
 久美は、自分の指をまんこ全体に被せるようにし、そのままイスの背にあてて、なにやらもぞもぞと腰を動かす。
 なにをしているのか。裸になっていても、よくわからない。
 そんなことをして、なにが楽しいのか。
「ああっ、いくぅ」
 ほどなく、彼女は極まってしゃがみ込む。
 それでも手はあそこから離さない。優しく揉むように指を使っているのではないだろうか。
「机の角に擦りつけたりするんじゃないの?」
「それも、します。でも、これが一番感じる」
「ふーん」
 遊びというものは、さまざまな段階があり、彼女はいまここなのだろう。股間をどこかに擦りつける喜び。次にはもっとソフトに自分の指と物を使って少し複雑に感じる喜びというわけだ。
 その先はまだまだいろいろな段階がありそうだ。
「久美。今日からオナニーは原則禁止だ」
「えっ?」
「したくなったら、私に頼むんだ。私が許可したとき、私の目の前でだけオナニーしていい」
「なんで?」
「手軽な快楽は、本当の快楽の妨げになるからだ。久美も本当の快楽を味わってみたいだろう?」
「本当の?」
「いまはわからなくてもいい。だけど、手軽なスナック菓子ばかり食べているんじゃなくて、久美もこれからはちゃんとした料理も食べなくちゃいけない。気持ちいいことも同じだ。最高の味を知らなくちゃね。知りたくないかな?」
 しばらく久美はトロンとした目で私を見ていたが、「知りたい」と答えた。
「私が教えてあげよう」
「はい」
 催眠術師になったような気分だ。
 全裸の久美を好きなように操れる。それを彼女も望んでいる。
 週1回の出社以外にはとくになにもなければ、私の予定は週2回のゴルフ、1回の釣りがメインとなる。
 いずれも、外交的な意味で社外の付き合いをしたり、業界団体の付き合いをしたり、グループ会社や取引先との付き合いをしたりするので、仕事といえば仕事。遊びと言えば遊びだ。
 たまには京都に行き芸者遊びをしなければならないとか、なんとか祭りに客と一緒に行くとか、幕張で開かれる展示会でテープカットの横に立つとか(私はメインではない)、名誉会長が思いついたイベントに付き合うという義務もある。
 とはいえ、名誉会長は気まぐれではあるが、私はあくまで仕事のパートナーであって遊び相手ではない。それは若い頃から同じで、心から遊びたいときにはお互いに煙たい。
 お誘いは月に1回程度でいい。
 ゴルフと釣りは、天候に左右され、招待する相手も高齢者が多いので、やれ雨だ、台風だ、暑い、寒いと、なんだかんだ中止になりやすい。中止になってもどちらも予約をしているので、私は誰かとゴルフしたり釣り船に乗ったりできないこともない。でも、それは若い秘書に任せて、彼に適当に誰かに行かせるように手配させている。若手の役員、執行役員、関連会社の役員などは、雨が降ろうが寒かろうが、ゴルフでも釣りでも喜んで行く(たぶん)。
 かつてはそうしてポッカリと空いたとき、妻であるとか、ほかのプレイ仲間たちと密やかな楽しみにふけることができた。
 妻が亡くなったことはその方の連中にも知られている。妻がいたから私と安心して付き合っていた者たちもいて、ひとりになってしまうと前のような付き合いは難しくなっている。
 プレイには多かれ少なかれ危険が伴う。失うもののない人間が参加することは、とても危険だ。みな警戒して当然だろう。
 それに、その仲間たちは、私が若い頃に妻にどれほど過激なプレイを要求したかも知っている。
 正直、やりにくい。気心は知れているので酒を飲んだり飯を食うならいい仲間であるものの、いまさらプレイをしたいと言い出しにくいし、向こうも誘って来ない。みな、どこかしら健康に不安を抱えている。そういう年齢になってもいた。
 それがどうだ。
 ここにいる肉体。若く、多少の過酷さもどうということはない。すぐに回復してしまうだろう。なによりも、底知れぬ欲望。うらやましいほどの貪欲さ。目を見ればわかる。欲しいのだ。いっぱい欲しいに違いない。
「どういうことをされたいんだ?」
「お母さんが昔、されていたみたいなこと」
 ドキッとした。久美の母親? 貴子のことだ。もちろん、私はいずれ貴子も欲しいとは思っている。とはいえ、堅物の息子の嫁だ。私のような乱れた存在を毛嫌いしている可能性は高いと思っていた。
「貴子か。お母さんはどんなことをされていた?」
「縛られて、叩かれててました」
 そんなはずはない。
 息子は私が妻とのプレイを嫌悪して出て行ったのではないか。自分の母を同意の上とはいえ、肉体的に責めさいなむことに対する強い拒絶反応があったのではないか。
「見たのか?」
「何度も」
「写真はあるのか?」
「お母さんの携帯に入っていると思います」
 なんということだ。
 今日は、とんでもない記念日になるかもしれない。孫に同意を得ただけではない。孫は母親の貴子を私に売ったのである。
「なるほど……」
 急いではいけない。危険だ。久美は若い。口からでまかせを平気で言う子かもしれない。自分が欲しいものを得るためなら、ウソでもなんでも利用するかもしれない。
 気持ちを試すしかない。
 私は部屋の壁に仕込まれた金具を引き出し、その一部を開いた。
「ここは仕置き部屋と呼ばれている。なぜかわかるか?」
「いえ」


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★小説『堕ちる 明日菜編01+』★
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自虐趣味が大変なことに 「SM研究室」の人気連載「「自虐者・明日菜の真性必罰日記」全編、そして連載中の「小説 堕ちる 明日菜編」を+(プラス)。全編加筆修正しました。お下劣で過激な一人遊びから始まって性社畜へと堕ちていきます。843ページ。


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自虐者・明日菜の続編です。「小説 堕ちる 明日菜編02」と「明日菜の夏休み・冬休み」を収録。全編加筆修正しました。過激な一人遊びや、性社畜へと堕ちた明日菜の行方をお楽しみください。


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グランドSM 5 高手小手

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「見ろ」
 逃げるわけはないが、背後から二の腕を掴み、開かれた壁の中を久美に見せた。
 ふーっと、息を吐きながら、彼女は視線をそこに向ける。
 縄の束。猿ぐつわ。ボールギャグ。目隠し。頭をすっぽり隠すマスク。そこは大人しい道具を並べている。棚の奥には、モノクロの妻の写真が額に入っている。
「はじめて縛ったとき。40年以上も前だな」
「しばった?」
 初々しい妻の裸体。厳しく、だがいまから見ればやや乱れた縄が、乳房、腕に食い込んでいる。正座し、カメラを睨む妻は放心状態だ。さきほどの久美のように官能に溺れているのだ。
「そう、縛った」
「これは……」
「おまえのお婆ちゃんだ」
 知らないはずはない。ただ久美の記憶の中の妻と、若い頃の妻は結びつかないのだろう。まして全裸で厳しく全身を縛り上げられて、逆さ吊りにされているカットもあるのだ。
「すてき」
 久美は私に体を預けてきた。
 そして振り返りながらキスをしてきた。ミルクのような香り。
 先ほどは私も夢中になってしまったが、柔らかくふくよかな唇の感触はとても美味しいとはいえ、そのキスは形だけで下手クソだった。
 数を重ねるごとに上手になっていくだろうが、下手な方がいまは好ましい。
「だめだ」
 彼女が股間に手をやろうとしたので、その手をひねりあげた。
「オナニーは禁止だ」
「だって……」
 また熱くなっている。
「おまえはどんな苦痛も受け入れる。その淫らな心を鎮めるためには、なんでもする。いいな?」
「はい」
 縄を取り、ひねりあげた手首にあてた。
「あっ」
「これが縄だ。これから縛る」
「しばる……」
 使い慣れている縄。手入れもしている。ぴたっとその細い手首に吸い付く。
 ゴルフも釣りも当面、キャンセルだ。秘書の坂田に連絡しなければ。
 久美がその気になって、時間もあるときに、存分に私の嗜好へ漬け込んでおかなければならない。
 どんなことでも、集中して一定の時間没入することでしか到達できない高みというものがある。
 妻とあの写真を撮ったのは、当時、私が住んでいた狭い団地だった。確か夏休みの1週間をすべて妻との時間にあてたのだ。まだ妻でさえなかった。結婚する約束もしていなかった。彼女は黙って私のオモチャになった。
 逆さ吊りにする場所を探し、結局、団地の非常階段を使って危険な吊りを試みた。その記念の写真だ。
 妻にはムリをさせた。彼女もムリをした。はじめて縛ったとき、屋外での吊りまでいくなんて、若気の至りだし、それを写真に納めることができたのは奇跡だった。
「高手小手」
 首に縄をかけ、乳房の上下に縄を回し、背面で肘を曲げ、肘の位置よりも高い位置へ手首を持っていく。柔らかいがムリはしない。余裕のあるところで決める。
 久美の幼い肉体に縄が食い込んでいく。その痛々しさ。哀しみ。そして彼女がそれを望んでいる憐れさ。
 それが美しい。
 反対側の壁を開き、大きな鏡面にする。この鏡の裏にも道具がしまってあるのだが、久美に自分の恥ずかしい姿を見せることが目的だ。
 部屋の灯りをMAXにした。オフィスのように真っ白なLEDがまぶしいほどに部屋を隅々まで照らす。あらゆるものが浮き上がるように見える。
 もちろん久美の体も。
「どうだ」
「ああっ」
 久美は声をあげ、もじもじしながら、目を自分の姿からそらせることもできずにいた。
「正座してごらん」
「はい」
 その場で床に膝をついた。
 見とれている彼女を少し放置し、私はカメラを用意した。すべて動画で記録されているとはいえ、記念の撮影は重要な儀式だ。
 まさに初縄。
 鏡に映っている彼女と背後でカメラを構える私。
 彼女の向きを変えてカーテンを背景に、ストロボを焚いて撮影。モノクロにすれば、妻の写真とほぼ同じように美しくなるだろう。
 その目。
 彼女の持つ内面からあふれ出てくる被虐の悦び。初々しい羞恥。
 撮影したばかりの彼女をモノクロ加工し、大型液晶テレビに映し出す。
「久美。これがおまえだ」
「はい」
 いきそうな顔をしているので、思いきり頬を平手で叩いた。
「あっ」
 鼻血が出た。
「崩すな」
 勝手に正座をやめることは許さない。
 手が自由にならない。いま久美はそれを自覚している。一筋の血が唇から顎へ。そして腿に滴り落ちた。
 ティッシュを数枚とって、拭ってやる。
「んんん」
 男の強い力で顔を擦られる。そして、鼻にティッシュを詰められる。縛られるということは、自分ではなにもできなくなること。放棄すること。そしてされるがままになること。
「いい顔だ」
 その姿も写真に納めておく。
「ええっ」
「いいじゃないか。鼻血を垂らして、ティッシュを詰められて。情けない顔だ」
 目はさらに真剣になっていた。叩かれる。血が出る。だが、終わらない。私はまったく動じていない。
 頬に手のひらの跡が浮き上がる。


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1970年代からのSM小説を読み、書き。「仲ゆうじ」などのペンネームで「SMセレクト」などに小説を書かせていただいておりました。
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