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隣の肉便器さん 1 こんな子がこのマンションに?

★新連載開始です。新婚の僕と美希の住むマンション。お隣に越してきたのは……。そういうシチュエーションです。明るい内容で読みやすい作品をと企画しました。これも、これまでの荒縄工房でありそうでなかったタイプかもしれません。もちろん、どんどんあんぷらぐどな世界になっていくわけですが……。お楽しみに。あんぷらぐど(荒縄工房)


「こんにちは」
 僕は彼女と出会ったとき。いきなりときめきを感じた。それは後ろめたいものだったが、土曜日の夕日を浴びた玄関で、なんだか非日常的な光景に思えた。
 小柄な人だった。子供かと思うほど。それが少し大きめの大人物のシャツを着て、おそらくホットパンツを履いているのだろうが、サンダルでナマ足なものだから、まるで下半身は裸のように見えた。
 そしてニコッと笑っている。
「あ、はい」
 ドキマギするしかなかった。
「隣に引っ越してきた館川です。ご挨拶にうかがいました」
 マンガ的に「ぺこん」と表現されるような愛らしい頭の下げ方。
 タオルに「館川」と記された紙が巻いてあった。
「み、三橋です。よろしくお願いします」
 心臓がバクバクだ。逆光で、髪はキラキラと輝いていて、顔は少し陰っているものの、驚くほどかわいらしい印象しかない。天使。アイドル。こんな子がこのマンションに?
「三橋さんはご夫婦ですか?」
「えっ?」
 一瞬、独身と主張しようかと思ったが、玄関に女物の靴を並べておいて、いまさらそんなとぼけたことも言えない。
「は、はい。館川さんは?」
「うちもそうなんですぅ」
 うれしそうに笑う。
 笑顔、笑顔、笑顔。人生はバラ色。世の中にいいことだらけ……。
 もし彼女になにか高額な商品を売りつけるといったミッションがあったら、僕は即買いしていたことだろう。
「あの、ひとつ、うかがってもいいですか?」
 声。アニメのキャラほど甘すぎるわけではなく、ちょっとハスキーなところがまたいい。ゾクッとする。
「えーと」
 くうううう、なんだ、その小動物的しぐさ。ちょっと小首を傾げる。
 サンダルも男物だな。大きすぎる。ペディキュアは紫色だろうか。よく見えない。くるぶしの上あたりの肌に、なにか模様のようなものが見えたりする。なんだろう。痣だろうか。タトゥーってことはないよね。ふと気づくと、彼女の手首のあたりにも、模様のように皮膚が少し凹凸している。
「ええ、なんでしょう」
 僕は身長百七十二。体重は少し太ってしまって七十八。茅ヶ崎生まれで、サザンが有名ですよね、茅ヶ崎。だけど僕はサーフィンはあまり得意じゃなくて、泳ぎはできますが、もっぱらプールで……。
「このマンション、築15年ぐらいと聞いているんですが、防音はどうですか? 隣の音とか響いちゃったりします?」
「ああ」
 ぜんぜん違う話だった。自己紹介もしなくていいようだ。
「静かですよ。館川さんの前は、お子さんが三人いるシングルマザーの方だったんですよ。ベランダで大騒ぎとかすれば別ですけど、サッシを締め切っていれば、なーんにも聞こえません。もちろん、壁を叩いたり蹴ったらわかりますよ。さすがに」
「そうですか。上の階とかは?」
「ここは六階ですからね。七階か八階かわかりませんけど、工事とかなら響いてきます。事前に工事があるときは、下の掲示板に張り紙が出ます。夜は静かです。たまにイスとかでゴンと床をやれば、それはまあ響くといえば響きますけど」
「そうなんですね。よかった」
 どうしてですか、と思わず聞きたくなるが、その言葉が出ない。
「ふふふ。うち、主人がちょっと大きいんで、いびきともかもするし、声も大きいんで」
 ああ、なんてカワイイんだ。こんな子の主人になってみたい……。主人と呼ばれたい。ずっと側にいてほしい。

 なんてことが昼間にあった。
 そのことを夕食時、妻の美希にどう切りだそうかなと思っていた。
 夕食は外で食べてもいいのに、美希が珍しく鍋にしたいと言うので任せた。ちゃんこ鍋のスープを買って来て、彼女が好きそうな野菜中心の鍋だった。僕は数少ない肉系のつみれを漁る。
「お隣に引っ越し、あったでしょ?」
「うっ、うん」
 つみれが熱くて死にそうになる。
「ねえ、それ4つ目じゃない? ひとり3つ計算なんだけど……」
「あ、そう、ごめん」
 知っていた。
「なんだか、すごくかわいらしい奥さんみたいなのよね」
「あ、挨拶に来たよ」
「え? ホント? 嫌だわ。言ってくれればいいのに。下でお会いして……」
「だって、買い物に行ってたじゃないか」
「旦那さんって人も見たんだけど……」
 美希は、少し顔をしかめた。
「僕は見ていないんだ。一緒には来なかったな。だけど、体が大きい人らしいね。声が大きいからって、防音を心配していた」
「ふーん」
 美希は少し虚ろな表情になった。
「どんな人だった?」
「怪物」
 さらっと美希は言う。
「怪物?」
「あ、人だから、怪人ね」
「おい」
 いきなり悪口はよくないぞ、美希。もうひとつ、つみれを寄こせ。
「だって、体が大きいっていうか、太っているっていうか、それ以上に顔が……」
 そしていきなりゲラゲラと笑い出す。
「なにがおかしいの?」
「カバみたいな……」
 そして美希は笑いが止まらなくなり、しゃっくりが出て、キッチンに行って水を飲み始める。カバと小動物。動物園かよ。
「ごめん、だけど、ほんと、スゴイから今度見たときびっくりしちゃダメよ」
 散々悪口を言っておきながら……。
「それにしても、マジ、美女と野獣よ。あれじゃ、毎晩、激しいんじゃない? だから防音」
 なんだか、それはとっても刺激的な話だった。
 だから、僕たちは鍋の火を止めて、ちょっとセックスをした。
「つみれ2個分!」
 新婚なんだから、いいじゃないか。


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★お嬢様はドM 第一部★
お嬢様1

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少しドジなお嬢様・丸木戸恵梨香(20歳)がマゾの衝動にかられてじわじわと屈辱的な「ドMのゴキ」となっていきます。ブログ公開版に未発表の2エピソード追加。



★お嬢様はドM 第二部★
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お嬢様として育てられた恵梨香は、M性に目覚め執事の息子の遠隔調教を受けることに。執事夫妻、代理として屋敷に入り込んだ男、巨根の運転手、そして調教のプロたちから日夜、心身の限界まで責められていく。さらに大学の友人たち、婿候補の子息たちにも……。 未公表部分追加。


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今日のSMシーン


テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

隣の肉便器さん 2 素敵よね、燃えちゃう、わたし

前回はこちらへ

 美希に「カバ」と言われて笑われた男に、翌朝、出会った。
 日曜日の朝。9月の空はまだ夏のようで、晴れ渡って気温はかなり高くなっていた。
「台風が来ますかな」
 野太い声を背後から受けて、ビクッとした。
 それが館川修だった。大きな体が共鳴するからか、360度スピーカーのように全方位的に彼の声は響く。
 メールボックスからいつの間にか大量に入れられていたチラシを取り出し、その間に重要な郵便などが混ざっていないかよりわけていたところだった。
 細長い郵便受けの並んだ空間は行き止まりで、その出入口を大きな影に塞がれた。
「いま、終わりますから」
「いえ、ゆっくりやってください」
 そう言うと彼はロビーへ歩いていった。
 最近のマンションにしては地味なロビーで、植栽もなければソファーなどもなく、ただエレベーターを待つだけにしては広すぎる。そこを彼が歩いているのだが、彼がいるとそれほど広いとも感じない。
 僕は急いで仕分けし、不要なチラシを集めている箱にガサッと突っ込み、結局必要そうなものは、妻宛に届いた美容品通販のセールのお知らせぐらいだったので、ロビーに出た。
「終わりました」
「ああ、すみません」
 彼は急ぐわけでもなく、鷹揚に動き出すのだが、1歩がそもそも大きいのであっと言う間に狭い空間に入り込む。機敏だ。分厚い体もちゃんと入る。ただ彼のメールボックスは下の段で、屈むときに窮屈そうだった。
 カチャッと開いたボックスの扉と比べると、彼の顔は大きい。
 エレベーターが降りてきたので、そのまま乗ろうとしたときだ。
「三橋さん」
 声がかかった。
「はい」
 彼の言葉はなにげなく、だが、人を従わせる響きが備わっていた。
 そういう人間になりたいと思ったけど、僕はムリ。
「先日、奥様にお会いしました」
「そうですか」
 いや、そこは「だそうですね」とすべきだったけど。なんだか少し戸惑ってしまった。
「お聞きになっていませんでしたか?」
「なんでしょう」
「お見受けしたところ、うちのと同じぐらいの世代ですよね。私らちょっと年が離れてましてね。うちのやつも、あなたたちのような同世代の方と仲良くなりたいって言うものですから」
「はあ」
 大きさと怪異な顔つきに目がいき、改めて彼はひと回り、いやふた回りは世代が上かもしれないと気づく。
「私、これでも店を都内にいくつか持っていましてね」
 僕に近づいてきた。一緒にエレベーターに乗ることになる。彼は仕分けはせず、チラシもなにもすべてをそのグローブのような手で握りしめていた。
「三橋さんご夫婦を招待したいと思っているんですわ」
 妙な関西弁風のしゃべり方。だが、関西人ではなさそう。商売に役立つ話法なのだろうか。
「はあ」
 そんなこと、美希はなにも言わなかった。
「急なんですが、今日、お時間ありませんか? 日曜日も夜は店も暇なんで、いい席をご用意できるので」

 いい席もなにも、僕も美希も、半円形の革張りのソファーに固くなって座っていた。
 六本木の坂の途中にある店は、地下とは思えない空間だった。
「ヤバイんじゃないの?」と美希が囁く。
「ヤバイかな」
 館川という男はヤクザかもしれない。ヤクザではないとしても、ヤバイ人かもしれない。この店ではなにかしら、ヤバイことが起こるんじゃないか。
 小さいながらも円形のステージがあり、それを囲むようにソファーが並ぶ。ただし、ホステスなど横に座るような女性はいない。店員は若い男性で黒い蝶ネクタイをし、よく見るとアジア系の外国人だった。
「いやあ、すんません、すんません。ちょっと店長と打ち合わせしとったものだから」
 館川とその奥さんがやってきた。館川はその巨体にオーダーしたにちがいないカッターシャツで襟元を大きく開いて、胸毛の存在をちらつかせている。サスペンダーでズボンを吊っていた。
 奥さんは、シャンパン色のキラキラとした裾の長いドレスに、ブランド物のバッグを抱えている。胸の谷間からスリットが腹部近くまで細く入っていて、そこに手を入れたら枝豆のように簡単にオッパイが飛び出しそうだ。
 美希の向こうに館川が、僕の横に彼女が座り、挟まれてしまった。
 店員がドンペリを持ってきて上品に音を立てて栓をぬくと、グラスに注ぐ。いかがわしい店というよりは、ホテル的なサービスだった。
「では、これもなにかの縁ですから、よろしゅうお願い申し上げます」
 どんどん勝手に進んでいく。
 テーブルにオードブルが並ぶ。シュリンプカクテル、伊勢エビの刺身、ローストビーフ、スモークサーモン。このあたりもホテルっぽい。
「まあ、すごいわ!」
 美希ははしゃぐ。
 よくこの場で楽しめるな、と僕は感心する。
「いただきましょうよ」
 ある意味の過剰適応。彼らがそのほうが喜ぶだろうと計算して美希はテンションを上げているのだろうか。
 そもそも館川夫妻から誘いがあったことを美希は言わなかった。それでいて僕が尋ねると「行きましょうよ」と積極的だった。
 なんだろうな。こういう世界に憧れでもあるのだろうか。もっとも美希は栃木県宇都宮で生まれ育ったものの、お嬢様育ちで、僕と出会ったときから好奇心旺盛の世間知らずではあったけど。
 だから僕は結婚できたし。
 彼女は僕が勤めているIT系のベンチャー企業について事業内容をまるで知らずに気に入り、僕が広報の地味な仕事をしていると知ると、勝手に広報はいい仕事だと勘違いし自分も別の会社の広報でバイトをはじめたぐらいの子だ。
「サッカー観戦」と美希が怪人、いや館川に答えていた。
 それで出会い、いまも共通の趣味。広報にいると、チケットが入りやすい。ただし、特定のチームの試合とはいかないので、僕たちは贔屓のチームを刻々と変えてしまうトンデモなファンである。
「うちの会社はスポンサーとかはやっていないんですけど、たまにお付き合いでチケットが流れてくることがあって……」
「埼玉や横浜や味の素とか、見に行くんですよお」と美希。
「サッカーは雨でもやるから大変よね」と館川妻。
「そう、雨、けっこう降られるよね、私たち」
 だから、それがきっかけで付き合ったんだってば。
 美希はいわゆる隠れ巨乳で、濡れることではじめてそれに気づき、僕はそこから猛烈にアタックし続けたのだ。
「はじまりますよ」
 館川が告げると、店内は少し暗くなる。ステージにスポット。そこに鏡のように光るポールがある。
 音楽が激しく鳴り響き、半裸の美しい女性が飛び出してくる。
 拍手。
 客が少ないけど、そもそも音楽が大きいのでどうせステージには届かない。
 外国の女性のように目鼻立ちのくっきりした筋肉質の女性は、ポールダンスをはじめた。
 そのステージの間、僕たちは無言だったが、なぜか館川妻の手が僕の太ももにあった。
 わざとらしく振り払うなんてことは社交的にもできないし。だからといって積極的にその手を握るってこともしにくいし。
「素敵よね、燃えちゃう、わたし」
 まさか館川妻が僕の耳にそう囁くなんてことがあるとは信じられないし、彼女がぼくの腕に乳房を押しつけてきたりするから、めちゃヤバイ。
 隣に奥さんがいるのに浮気するってあり?


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★共用淫虐妻・千春★

DLSiteのみで販売しています。小説『十二階』一部、二部を改題・改稿した作品です。
十二階に住む達也に頼まれ、千春の調教を引き受ける。彼女の奥底にある危ういまでの被虐性を知り、厳しい調教を行う。さらに達也の提案でマンション全体の「共用」として千春を住人に貸し出す。特殊なペットとして改造にも踏み出す。語り手の調教役を男性にし、一部の表現を変更。ストーリーは小説『十二階』一部、二部と同じです。



★小説『十二階』第一部★
十二階第一部
DMM.R18でのみ販売中。とあるマンションで人妻を徹底調教する。千春は夫の決断で同じマンションに住む敏恵に調教を委託することになった。激しくも甘美な調教で、昼夜を問わず若妻は被虐にどっぷりと染まる。



★小説『十二階』第二部★
十二階第一部

DMM.R18でのみ販売中。調教はマンションぐるみとなり、千春には衣服もプライバシーもなくなってしまう。住人に貸し出される人妻は、さらに苛烈な運命が待っていた。



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今日のSMシーン




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隣の肉便器さん 3 スワッピングしません?

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 これからは、下の名で呼びましょうや、友達として──。
 月曜の朝、僕はそんな関係を隣人と結んだことをかなり後悔していた。
 店ではただ食べて飲んで、ポールダンスを見ただけだ。そしてお互いに、「永一君」(僕である)、「修さん」(怪人である)と呼び合う仲になり、美希は小動物を「奈穗美さん」と呼ぶことになったのだった。
 いっきに仲良くなったような気分ではあるが、それは同時に、実際にはお互いになんにも知らない同士なのに、高そうなクラブの一夜をご馳走になってしまうという借りを作ったことも重荷になって、どうしたものかな、と思っていた。
 エレベーターに乗ろうとしたとき、パタパタと背後から音がした。
 振り向くと、奈穗美だった。
「おっはよーございまーす」
 ヤバイ。
 タンクトップにホットパンツにサンダル。そして一緒にエレベーターに乗り込むと、ほかに誰も乗っていなかった。
 ヤバイヤバイ。
 そして彼女は当たり前のように僕の腕を両手で抱えた。甘い香りがする。
「永一さん、お願いがあるんですけど」
「な、なんでしょう」
「エーちゃんって呼んでいいですか?」
 昨日、名前で呼び合う仲になったばかりで、いきなりそこまで、という気もしたが、彼女にそう呼ばれて嫌な顔なんてできるはずがなかった。
「あたしのことは、ナポリンって呼んでね」
 ナポリン……。じゃあ、うちの美希は? ミキリンか?
「ミキリンって、すっごくかわいい人ですね!」
 やっぱり……。修はどうする。
「オサムもすっごくかわいいって言ってましたよ」
 そこは変わらないのか。まあ、一番年上だし。オサミンとは呼びにくい。
「あたしたちみたいな、お隣同士で同じような感じの夫婦で仲がいいって、珍しいと思うんですよ」
 もうすぐ1階。早く着け!
「だから……」
 ナポリンは僕の腕をぎゅっと握った。爪を伸ばしていない。深爪かと思うほどきれいに切りそろえている。清潔だけど、同時にエッチな連想もしてしまう。彼女ぐらいの子なら、むしろ伸ばす。美希もそうだ。
「だから……。スワッピングしません?」
 ヤバイヤバイヤバイ。
 ついに爆弾が投下されたじゃないか。来るんじゃないかと思ったら、こんなに急に。ふいをついて。直撃だ。
「い、いえ」
「えー、そうなんですかあ? しましょうよ」
 6階だから1階まではすぐ。それがこれほど長く感じるとは。
「美希が……」
「ミキリンもきっと賛成しますって。考えてくださいね!」
 僕は会社へ。彼女はメールボックスへ。
「エーちゃん、行ってらっしゃい!」
 まるで彼女が妻のように振る舞う。
 その日はもう1日、まったく仕事が手につかなかった。
 広報の上司は女性、同僚も女性、部下も女性、バイトも女性、派遣も女性。男は僕だけの部署だから、相談する相手もいない。
 そもそも、相談できるか!
「お隣さんにスワッピングを申し込まれたとき、どうすればいいでしょうか?」
 ヤフー知恵袋だ!
 しかし、隣人との相談事では大多数がトラブルだ。仲が悪い。仲良くなろうとすらしない。ましてや肉体関係なんて……。
 悩みを抱えたまま、帰宅する。部屋に入るまでに館川夫妻に出会うんじゃないかとビクビクしていたが、考えてみれば夜忙しい仕事みたいだ。うちとは違う時間帯で生きているはず。
 美希はすでに夕飯を食べていて、僕に「なに、食べる?」と聞いてくる。
 冷蔵庫を見て、ドリアと串カツと缶ビールにした。
 風呂に入っている間に美希が温めておいてくれる。
「ねえ、どうしよっか」
 ビールを飲みながら、ニュース番組を見ていたら彼女が甘い声を出す。セックスしたいのかな。してもいいな。スワッピングという刺激的なワードのおかげで、1日モヤモヤしっぱなし。
 吹き飛ばすにはアグレッシブなオフェンスしかない。
 ワンツーでダイレクトにゴールに迫る流れが必要だ。
 ベッドに誘おうと手を握って立ち上がる。
「違うわよ。あなたとナポリンのこと」
「んんん?」
「聞いたんでしょ? ナポリンから」
 ウソ、マジ?
「美希はどう思うの? って、どうして知ってるの?」
「帰ってきたらピンポーンって。ナポリンが来てね、ついさっきまで、いろんなお話をしたの。一緒にドリア食べたから、また買ってこなくちゃね。彼女ってなんだかすごいわ、見かけによらないというか……。見ようによっては見たまんまというか……」
 まさか彼女は美希にもスワッピングを持ちかけたのか……。
「あれってさ、交換するだけじゃなくて、見せ合う感じでしょ? そもそも誰かに見られてするって、エーちゃんはどうなの?」
 エーちゃん。
 美希は間違いなく変わった。ミキリンになった。
「ナポリンて、すごくいやらしい体、してるわよね。女の敵って感じ。ああいう子としたいって思う男、多いと思う」
「ああ、まあ、そうだね。小柄だけどね」
「小柄だから、危ないのよ」
 美希はしばらく芸能人の小柄な女性に関する話題をしゃべる。
「私はね、エーちゃんがナポリンとしているところ見たら、頭に来ちゃうかもしれない。どう思う?」
 美希が修さんに抱かれているところ……。いや、ミキリンがオサムに犯されるシーン。
 寝取られ系か。
 ヤバイなあ。下半身にガツンと来た。
 カチカチだ。
 これまで、僕はナポリンとセックスする妄想はしていたが、妻が怪人オサムとすることはまったく考えていなかった……。
 だけど、体は正直に反応していた。


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★M穴地獄―デッドライン―★
 

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自虐の虜となった女子校生が自分の肉体破壊に突き進んでいく。物語はデッドライン(引き返すことのできないところ)に向かって、エンディングと発端から交互に描かれる。結末はわかっているのに、読み進めるしかない破壊的な磁力を発する作品。



★玩具にしてください! 変態女子校生・菜津希★
gang1100.jpg 

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陸上部の女子・菜津希はそのことが頭から離れない。練習中に公園の隅に暮らす汚れた人たちを見たときから、肉体をその人たちに汚してほしいと願うようになる。それはやがて理解者であり脅迫者でもある人物を得て輪姦願望へとエスカレートしていく。鍛えた若き体を汚辱する快楽。

エピキュリアン1

今日のSMシーン



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隣の肉便器さん 4 本当の姿をお見せしなさい

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「美希がいいなら……」
 言ってはいけない言葉だ。
 だけど口にしてしまった。これで僕たち夫婦は終わるのか。このあと修羅場となって明日は離婚か。美希は出ていくか。栃木の実家に戻って僕の悪口を言いつのるのか。あそこの家は金持ちだから、僕を潰すことなんて簡単だろうし。
 美希はしばらく黙っていた。
 僕が食べ終わると「もういいの?」と聞いてきたから「ごちそうさま」と答えたら、「ほんとに?」と言いながら僕の膝に乗ってきた。
 どこかの映画で見たようなシーンだな。
 膝の上で体をくねらせて服を脱いでいく。
「私が怪物に犯されているところ、想像したでしょ」
 お尻でぐいぐいと固くなったものをすり潰すように。このままでは本当に潰されてしまうので、彼女を抱え上げてベッドに運ぶ。
 長いキス。
 悪事を思いついた記念に。
 僕たち夫婦の最大の危機か。それとも新しい時代の幕開けか。
「早い、早い」
 ミキリンが笑いながら抵抗する。いきなりのインサートだから。我慢ができないのだ。とりあえず一発お願いしたい。三こすり半。あっという間に果てる。
「そんなんじゃナポリンに嫌われるわよ」
 全国の夫のみなさん。こんなことを言う妻は存在するでしょうか?
 ミキリンはどうかしているんでしょうか? そして僕も。
「オサムはけっこう物が大きいんだって。小柄なナポリンだと大変らしいけど、ムチャなことはしないって言ってた」
 そんな話をドリアを食べながらするのか、女は。
「エーちゃんは、せっかちだからって言っておいたけど、これはないわ」
「ごめんよ、もう、なんか焦っちゃって」
「攻略法をちゃんと考えておかないと、いざってときに私たち2人ともダメになっちゃって、そうしたらきっとすごく気まずい感じになって、せっかく仲良くなったのにその日からずっとおかしな感じになっちゃうわよ」
 もうなってる。
 とはいえ、今朝のように明るくナポリンが「いってらっしゃーい」とか言ってくれる関係は、僕にとっては望ましい。少なくともヤフー知恵袋で大勢の人が悩みをぶちまけているように、疎ましい隣人との関係に陥るよりはずっといい。ナポリンは正直、かわいい。
「じゃあ、今度は僕のを怪物のだと思って、口でやってみて」
「ええっ、ゴム、するよね」
「そりゃそうだと思うよ。その方がいい」
「それにも慣れないとね」
 美希は僕のものにゴムを被せ、口に含んだ。
「ふふふ、復活も早い」
 2回目の準備がすぐ整ってきた。自分でもうれしい。妻の積極的な態度が加速させている。こんな調子で怪物に接するとしたら、それはそれで、嫉妬してしまいそうだけど。美希は僕がナポリンとすることに嫉妬するんじゃないか。
「怪物だぞお」
 僕は低い声を出して、妻に襲い掛かり、「きゃあ、やめてよ」と笑いながら言う彼女と2回目をした。今度はゆっくりと愛撫しながら、横、斜め、後ろと位置を変えつつ楽しんだ。
 正直、本当にその日がやってくるまで、僕たちはちょっとばかり脳天気だった。
 お互いに寝取られる状況で、誰が喜び、誰が傷つくか。
 そんなことに気を回す余地はなかった。
 週末。場所はオサムが用意してくれたホテルだった。普通のホテルとは少し違っていた。バーカウンターがあって、ジャグジーがある一方、鉄格子の檻と、その中には人を磔にする台など、ちょっとおぞましい道具が並んでいた。
「ここ、使うの?」と美希は僕に小声で聞くけど「飾りじゃない?」ととりあえず答えておく。
「心配はいりませんよ」とオサムが野太い声で宣言する。「この檻はこいつのためですから」
 ナポリンのため?
「スワッピングと言いましたが、ちょっとお断りしておきたいことがあるのです」
 僕たちは清潔な服装で土曜日の午後に、指定されたホテルに入った。そこで待っていたオサムとナポリンも、いつもと変わらぬ服装だ。オサムはもっさりとしたスーツを着て(ネクタイはしていないが)、ナポリンはジーンズにトレーナー。だぶだぶのトレーナーの胸元に、黄色に白く抜かれた猫のイラスト。暑いんじゃないか、と思うけど、気軽な格好。
「こいつは、対等な立場じゃありません」
 オサムは、ナポリンの肩をドンと突き飛ばす。小柄な彼女はカーペットに膝をついてしまう。
「あっ」
 僕は思わず手を差し出すが、オサムになにもするな、と合図された。
「さあ、本当の姿をお見せしなさい」
「はい」
 ナポリン、目がうるうるして、唇も震えている。どうした。泣くのか?
 トレーナーを脱ぐと、美希が隣で「えっ」と声を上げた。僕も息を飲む。
 その下は全裸。いや、赤いロープが彼女の体を細かく斜めに区切っていた。それはマニアでなくても知っている亀甲縛り。乳房の下に浮き上がる六角形。
 おっぱいが思ったより大きいし、乳首もちょっと異常に大きく、銀色に光るピアスがついている。それは指が入るぐらいの輪っかだ。
 くらくらする。
 こんなこと、ホントにあるのか。
 ジーンズを脱ぐと、縄はきっちり股間にもまとわりついていた。
 そして腹部に「肉便器」と鮮やかな青黒い文字が浮かび上がり、その縁を真っ赤な花弁と緑の葉が彩っている。鮮やかなタトゥーだ。
 その下、クリトリスのあたりにも銀の輪っかが光る。ピアスされている。
 正座してナポリンが頭を僕たちに下げた。手は背中に回している。
「今日はお忙しいところ来ていただき、ありがとうございます。私ナポリンは、生涯、変態の肉便器としてご主人様はもとより、ご主人様の許可を得たあらゆる方に肉体奉仕をさせていただきます。生まれながらのマゾ体質で、緊縛、拘束、目隠し、マスクなどどのようなスタイルもお受けします。また、浣腸はもちろんのこと、アナル拡張、まんこ拡張もお気の済むまでお楽しみいただけます。鞭は当然、ビンタ、パンチ、ケリ、ケツバットなどさまざまな打撃も全身で受け止めさせていただきます。傷や痣のことを気にすることなく存分にお楽しみください。拷問、首締め、プロレス技のダミー人形、人間サンドバックなどもお試しいただければうれしいです。口、性器、肛門は性処理用にお使いください。通常、生で使用していただいておりますが、ご心配な方は避妊具をおつけください。飲によう、人間便器、塗フンなどスカ●ロも大好きです。どうか、今日は1日、このどすけべな変態肉便器を徹底的にいたぶっていただければ幸いです」
 長い口上。ゆっくりと、かわいい声で、区切りながら言い切った。
 呆然となってしまった。
 予想とまるで違う。
「こいつは、こういう女なんですよ」
 オサムは薄笑いを浮かべている。
「ですから、そちらの美希さん、いえ、ミキリンとは比べものになりません。美希さんが山奥でひっそりと湧き出す天然の甘露とすれば、こいつは街中の地下を流れる下水ですからね」
 そんなはずはない。あの明るくてエロいナポリンが下水だなんて。
「お気を悪くさせたのなら、申し訳ありません」とナポリン。
「そうだぞ、おまえってやつは、いろんな人を不快にするな」とオサムが尻を蹴る。頑丈そうな革靴の先で蹴られても、彼女はがまんして、あまり動かない。
「つまりですね、スワッピングといっても、よくあるカップル同士でいちゃついてセックスするようなことは、こいつにはできないんですよ。いずれわかることなので、かっこつけるとかえって誤解を招きますからね。早いうちに知っておいていただきたかったんです」
 ボコボコとオサムはナポリンの尻を蹴り、腹まで蹴る。
「うっ」とうめき、顔をしかめながらも、土下座を保とうとする。
「かわいそう」と美希がつぶやく。
「そうですね、かわいそう。まさに、憐れなやつです。でもね、私が仕向けているわけじゃないんです。彼女はこうされたくてここにいる。私から離れない。もしヤバイやつに捕まったらあっという間に殺されてしまう。私はこれでも彼女を上手に飼い慣らして、少しでも長く生きてもらおうとしているわけです」
 言っていることとやっていることが違う。相手を蹴りながら、長生きを願うって……。

※FC2の規定により、飲によう、塗ふん、スカ●ロといった表現になっていることをお察しください。


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★縄味1★


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若き人妻は「なわみ」というハンドルネームで緊縛写真をネットで見るようになり、写真展に立ち寄ります。そこでカメラマンにモデルに誘われる。顔出しNGで緊縛モデルのテスト撮影をしたところ、唯一顔の写っていた写真がネットに流出。義兄の目に止まってしまう。



★縄味2★


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「縄奴隷なわみ」として義兄に脅され恥辱にまみれたデビューを強要される。野外での撮影会で人妻奴隷の限界を超えてしまい、残酷なショーに出演することに。哀しくも完全奴隷化されていく。



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今日のSMシーン


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ジャンル : アダルト

隣の肉便器さん 5 耐えられないわ。吐きそう……

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「私たち夫婦のことを、理解してくれとは申しませんが、お隣さんには多少はわかっておいていただきたかったのです。まして友人としてお付き合いできるとしたら」
 美希がふらっと体が揺れたので、慌てて抱き止め、大きなベッドに腰掛けさせた。真っ青だ。
「大丈夫?」
 ただ手を払って、構わないでくれという。
「ショックでしたか? 申し訳ありません。ここでお帰りになられても、仕方がありません。お二人が考えていたような話ではなくて、すみません」
「いや、でも……」
 僕は好奇心もありつつ、半分萎えてもいて、美希が心配だし、この状況はなんとかいい方向に進まないものかと期待した。たとえば「ドッキリでしたー」みたいなオチだ。
 それにしても、乳首とクリのピアスとか下腹のタトゥーは、ドッキリとは別次元だ。ナポリンの体は、僕が想像していたものとは違う。美しい女神、妖精と思えたのに……。
「2つの選択肢があります」とオサム。「1つはこのまま解散します。以後、日常生活でご迷惑をおかけするようなこともありませんから、そっとしておいていただければと思います。2つ目は……」
 ごくりと生唾を飲んでしまった。
「とりあえず、ナポリンのわがままを認めていただき、私たち3人でナポリンを責めてみよう、というのはいかがですか? お二人に強要はしません。見ているだけでもかまいません。途中でお帰りになってもいい」
 怪物がナポリンをいたぶる……。
「はじめてのことだと思いますので、なにがなんだかわからないかもしれませんが、こういう女もいるのです。憐れでしょう」
「憐」と「隣」はよく似た感じだな、と僕は思ったりして。隣の憐。
「ちょっと、私たちだけで話をさせてください」と美希が言い出す。
「ええ、どうぞ。向こうにいます」
 オサムはナポリンの背中に回した手を取って、檻の中へつれて行く。映画のセットのような檻だが、ガチャンと音を立てて閉じられる。彼らは隅の方へ行き、僕たちに背を向けてくれた。
「大丈夫?」
 僕は優しく美希に声をかけた。
「なんて言えばいいのか……」と美希は擦れた声を出す。大きな声を出せば届いてしまうからだ。
「あなた、どう思う?」
 これはまた微妙なところだ。
 涙目で震える美希を前にして、間違った選択はしたくない。
 好奇心はある。あのかわいいナポリンがどんな目に遭わされるのか。そしてもしかしたら、僕の手で酷い目に遭わせる可能性だってある。
「怖い。それに、汚らしいわよね」
 美希の声に力はない。便器の響きが突き刺さっているのだ。「怖い」「汚らしい」は、僕もわかる。
 でもそれで終わらせる気になれないのではないか。でなければ、すぐここから出ようと提案するはずだ。美希も見たいのかもしれない。
「スワッピングより怖いかも……」
「そうだね」
 スワッピングもかなり勇気のいる行為だが、そこにあるのはセックスだ。いやむしろセックスしかない。ほかのことは度外視するのがスワッピングだろう。
 いま僕たちに突きつけられたのは、テーブルの真ん中にあったセックスをどーんと端に寄せてしまい、突然、現れた変態という山と対峙しなければならないこと。高く鋭い山に恐れ、足がすくむ。行くのか行かないのか。
 そこに登ることなどムリに思える。
 変態であることとセックスを楽しむことは、僕や美希の中では一致しないのである。
 ノーマルなセックスを楽しんできて、そのうち子供を授かればいいな、と思っていた脳天気な僕たちには、命がけで肉体と精神を削るような変態行為は別次元の話だった。
 理性としてはここで部屋を出ていくのが正しい。
 以後、お隣のオサムとナポリンは、館川修と館川奈穗美であり、その夫婦が変態らしいけど、どんなことをしているかなど詮索する気もなく、顔を合わせれば挨拶ぐらいはする仲で終わるのである。
 それがもっとも安全だし、僕と美希の人生として、想定内のルートだろう。
 スワッピングをしても、人生は大きく狂って行った可能性はあった。
 まして変態……。肉便器って……。
 この山には登らない。そう決めたときだ。
「見たいなら、あなただけ残ってもいいのよ」
「どうして」
「あなたが彼女を浮気の相手にしないことだけは、確かだから。そもそも彼女となにをしても浮気にはならないと思う」
 ドキッとした。
 そうか、美希はそれを心配していたのだ。もしスワッピングをして、美希がオサムを大好きになってしまう可能性よりも、僕が奈穗美を大好きになってしまう可能性の方が高い。それはよくわかる。
 だって、少しはそんな気があったのは事実。ただし、ナポリンの背後にオサムが存在しているから、奪うことなんて不可能と感じてはいた。
 奈穗美を奪うことは不可能でも、美希を捨てることは可能、と言えなくもない。僕はそんなことは思っていないけど、美希はそう考えてもおかしくはない。
 ため息をつく。
「僕だけ残るなんてムリだよ」
「彼女がいじめられるのを見るのは耐えられないわ。吐きそう……」
 静かな時間。
 ナポリンもオサムも物音さえ立てず、じっと待っていてくれた。
 そこに僕は妙なまっとうさを感じてしまった。
「待てよ。あの2人を見ろ」
 檻の中でじっとしている2人。
「愛し合っている」
 そうとしか見えない。憐れなナポリンを守る怪人オサム。その姿は僕にはむしろ明るいものを感じた。エレベーターで一緒になったナポリン。同じ彼女なのだ。あれが彼女なのだ。
「愛の形がちょっと違うからといって、それがなんだ」
 慎重に言葉を選んだ。僕がただナポリンを見たいがために美希を引き留めているのではないことをなんとかわかって欲しい。
「そんなのわからないし、ムリ。私には」
 美希は頭をふる。
 このあと「ごめんなさい」と彼女が切り出したら、この話はここで終わりだ。これ以上やったら、僕と美希の間がおかしくなってしまう。それは嫌だ。一緒にここを去ろう。
 それでも美希はぼんやりと遠くの2人を見つめて、乾いた唇を少し舐めた。
「そういう世界があるかもしれないってことは知っていたわよ、もちろん」
「そうだね。なんとなくね」
「お隣さんが、どんなことをするのか、このまま知らないでいたら、私、とてもあそこに住んでいられない……」
 んんん? どういうこと?
「そうよ。見るしかない。見て、確かめるしかない。絶交するか、私たちが引っ越すか。それを考えるには自分の目で見るしかない」
 美希は立ち上がった。まだ青ざめているけど。
「そ、それって……」
「行きましょう。どういうことになるのか、確かめましょう。それが愛の形なのかどうかを含めて。それにもしも問題があるようなら、全力で止めないといけない。だって命がかかってるのよ」
「ああ、そう、だね」
 美希の決断は、シンプルに好奇心と良心や常識を天秤にかけてみて、好奇心が勝ったということなのだろう。


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1970年代からのSM小説を読み、書き。「仲ゆうじ」などのペンネームで「SMセレクト」などに小説を書かせていただいておりました。
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