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くされ作家のクズ箱 その24 女と視点と羞恥心と

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 くされ作家がデビューしたときに、SM小説はすでにブームを終えようとしていた。ブームを牽引していた作品の多くは、「羞恥」を主要なテーマに据えていた。
 ところが、世の中ではタブーは減り、オープンになっていき、羞恥に対する人々の評価、捉え方も変わっていった。
 いまの時代、肌を露出しても恥ずかしくはないが、成りきり度合いが低いのは「恥ずかしい」。完成度が低くても、思いきりよくやり切ることができれば、むしろ評価の対象となる。失敗すれば「恥ずかしい」。
 羞恥心は、自己評価よりも、他者評価である。自分の恥ずかしさと、他人から見た恥ずかしさでは、いまの時代は圧倒的に他者評価である。
「おまえ、それ、恥ずかしいよ」という時代になったのだ。
「え? そうかな」
 当人はそれがどうして、どう恥ずかしいのかわからないケースが増えている。または自己評価の「恥ずかしさ」は克服すべきテーマと捉える傾向が強い。
 古典的SM小説では、被虐側は、強い羞恥心を持っている。自己評価である。ミニスカートで銀座を歩くこともできない。ナマ足もダメ。まして、半裸で街を歩かされるなんて……。こういう羞恥は「卑下」ともとられて、「古い因習」からのものとして否定されていくわけだ。
 いや、いま女子大生だって夏場は半裸と言っていい。私も毎年、輝くばかりの太腿の群れに遭遇してはため息をつく。「恥ずかしくないのか」と。
 また、男の感じる「恥ずかしさ」と女の感じる「恥ずかしさ」はかなり隔たりがある。男の恥とは「みっともなさ」であり「はっきりしないさま」でもある。女の恥は、「一時のものか、死ぬまでか」といった時間軸がまず先にあり、たいがいの恥は「一時のもの」と割り切る潔さがある。男はそれができずに悶々とするが、その悶々する様がすでに恥ずかしいと女には映るようだ。
 もちろんそうじゃない男女もいるだろうが、一般化するとそんな感じを私は持つ。とくに子どもを生んだ女性の「恥」は、出産未経験の「恥」とはまるで違う。母は強し、という言葉もあるように女は母になると羞恥心を他人事にできてしまう。
 不倫を糾弾された男女の反応の差も、興味深い。男は「しまった」と思いがちで、なかったことにしようとする。女は「二人で一緒なら世界を敵に回しても平気」なのだが、男は情けない方向へ逃げるために女は取り残され、その怒りから開き直りへと向かう。
 いや、実際はメンタル面では大変なのだとは思うけれど、男は恥をかいたあと社会との関わり方を変えようとするのに対し、女はそれを「一時」と割り切って以前のままの姿で復帰しようとする。
 男が描くSM小説では、これがしばしば逆になる。女は恥ずかしさのあまり、その事実を隠そうとして、さらに深みにはまっていくし、いつまでも恥を恐れてしまう。
 現実はそういう女性よりは、早々に開き直る女性の方が多いのではないだろうか。
 SMにおいては、羞恥プレイはとても重要なものだが、その意味するところは、創作としては女性の姿で描かれていながらも、実は男性の羞恥を描いていることが多いと私は思っている。
 男性読者はたとえM的要素はなくても、羞恥に悶え苦しむヒロインの姿に愉悦を感じるのである。このあたりは、「女よりも女らしい」と言われるように、女形の演ずる女性像などから伝統的に続いている感覚だろう。
 古典的な作品でも女性を男性視点から理想化することは多いので、そうした教養を持った男性はどこかにその感覚を理解する素地があると思う。
 女性の描く女性のためのSM小説と、男性の描く男性のためのSM小説は、こうした視点の差、経験の差、そして伝統的な概念の差などから、結果的にかなり違う作品になっていく。
 女形の文化のおかげもあって、SMプレイでM役に浸ることのできる男性が多く存在するのに対して、M役に浸る女性はどちらかといえば少ないと思う。女性のM役は当初はMらしく演じるのだが、やがてSを包み込むような存在(母視点)になりがちで、どちらかといえば支配する側になっていることが多いだろう。
 男は女には勝てないのである。
 そのせいか、男がSへ向かえば、女を無理やり奴隷にするような世界を妄想し、Mへ向かえば強い女に支配される肉便器奴隷を妄想しがちなのは、理解しやすい現象ではないだろうか。
 そこからさらに倒錯して、強い女に支配されるMな女役、つまり男が理想とするMな女役に浸る男、といった姿になっていく。
 女装していじめられたい、女言葉を使いたいといった要望は、それほど意外ではない。
 私が、女性主人公の一人称で小説を書くようになったのは、ネットの掲示板に書くようになってからのことだ。
 主に三人称で描くことが多かったのだが、あるとき、掲示板でしかも匿名で公開するのなら、性別は好きなようにできるのではないかと気づいた。「ネットおかま」という言葉もすでにあった。私の場合は作品だから、女性になりすまして誰かを騙すような犯罪行為ではない。堂々とやっていい。
 いじめられる女性の視点で描くと、自分の描きたいSM小説が、思った以上にスムーズに書けることに気づいた。
 プロの作家として作品を書いていたときは、男性のペンネームであり、編集者にも男性とわかるわけで、そこに男特有の羞恥心があってそれを吹っ切ることができなかった。
 だが、ネットではそれができた。
 このおかげで、「あんぷらぐど」は極めて羞恥心のないストレートな描写を平気でするようになったのだ。
 このあたりは男として生まれたことが残念だけど、それは私の育った時代が「男は男らしく」がまだ一般的だったことの影響こそ問題にすべきかもしれない。
 私は男であり同時に女でありたい。両性具有が理想だ。作家というのは欲深いもので、あらゆる視点が欲しい。神にもなりたいし、同性愛者にもなりたい。雄々しくもなりたいし、女々しくもなりたい。
 恥ずかしさに身もだえしたいし、恥を恥とも思わない人にもなりたい。いい人にも悪い人にもなりたい。何度も死んでみたいし、死後の世界も経験したいし、幽霊になって誰かに取り憑いてみたいし、生まれ変わってみたい。人ではないものになってみたい。
 ま、こんな具合に果てしなく欲が深い。この欲が創作の原動力となっていることは確かだ。
 そして「荒縄工房」をはじめるとき、私は女性主人公の一人称形式をもっと続けることを自然に選択していた。ある作品では、当初は三人称で描いたのに、刊行時には一人称に変更したぐらいだ。
 憑依できないかもしれない登場人物を想定したとき、どうしても腰が引けて三人称になる。突き放して、わからない部分はわからないままにしておくときには、三人称が便利なのである。
 簡単に言えば、主人公がトイレに入っている間に、会議室でされていた会話は、一人称小説ではあとから知ることになるか、または永遠に知ることはない。三人称なら同時並行に描くことも可能だ。
 一人称は制約が多い。視点がそこに留まる。その人物の受け止め方で描くので、その人物のことはすべて理解していないと書けない。または「理解できている」と思い込まないと書けない。
 それでいて、一人称は書きはじめるとほとんど滞るところがない。なにしろある意味憑依した主人公、つまり「自分」のことを語っているだけなのだから。
 三人称は迷い続ける。描写の選択肢が多いために、いまどこを誰の視点で描くか。いわば演出プランが不可欠になる。
 本来、ストーリー重視のときは三人称のほうがいいと思う。神視点、または複数視点で立体的に描くことができる。主人公の知り得ない事実に触れることができる。
 たとえば現在連載している作品のうち『淫虐の楽園』は三人称で神視点だ。登場人物それぞれの心情を描きたいのと、ときどきシーンが分裂するからだ。同時に別のところで事件が起こるので、それを描くには三人称のほうがいい。
 また、主人公はとんでもない悪人であり、その思想はとてもわかりにくい。だから、主人公の一人称で書くと、私にしかわからない作品になってしまう恐れがあった(それにこの主人公はおそらく自伝や日記は書かないタイプの人間だ)。
 一方で『シェアしてください』は、主人公の女子校生の一人称とした。この作品はホラー要素があるので、主人公にわからないことは、むしろわからないままの方がいい。そしてストーリー以上に、主人公の欲望、情念が中心なので、ぐっと深く入り込むには一人称がふさわしい。
 ただ、こうして書いた原稿をあとでまとめるときには、別の考え方になる可能性はある。
 結果的に、書き終わらなければ、どの視点が正解だったのかはわからないのだ。
 もっともすでに6年目に入った「荒縄工房」のおかげで、私は定期的に女性の一人称視点のSM小説を書かないと気がすまなくなっているのも事実である。年を取っていわゆる更年期以降、男性ホルモンが減少し、女性ホルモンが勝つという話もあるので、私はオバサン化しつつあるのかもしれない。
 この頃は、テレビの「ロンハー」で見せるカンニング竹山の女装姿に、以前のような嫌悪よりも親近感を感じているほどだ。ただ、それもまたちょっと捻くれた男視点ではあるのだと思うが。


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