被虐の家 26 電車の中でも大人しくしろよ
店の外に出るのは1週間ぶりだった。
逃げられないように、股縄をきつく締められ、姉妹の股縄同士を別の縄でつないでいた。全裸の上に頭からかぶるペラペラの生地のチェニックワンピースだけを着せられている。花柄とはいえ、よく見れば乳房が透けている。
そのサイドにハサミで切れ目を入れられ、縄が出ている。その長さは50センチほど。奇妙な二人三脚で、縄を隠す意味もあって姉妹は腕を組んで歩くしかない。
「ああ、あそこが擦れちゃう」と千絵。
「がまんして。私につかまっていいのよ」と桃江。彼女自身、わずか数歩で股縄のいじわるさに気づいていた。1週間にわたる休みのない性器への責め、そして週末の客への披露で、感じやすくなっている。自分でもうんざりなのだが、歩くたびに食い込む縄は、股間を擦り上げ、そこから発信される強烈な悦楽を思い出させる。恥ずかしさと疎ましさに、頭はいっぱいになってなにも考えられない。
まるで家畜だ、と桃江は感じた。
駅まで歩くだけでも汗だくになる。恥ずかしさと歩きにくさが2人を苦しめる。
「もう欲しいか?」
淵野はリモコンを2人に見せる。
「あっ」
「いやっ」
リモコンで、同時に姉妹の蜜壺深くに入れられたローターが激しく振動をはじめた。まるで淵野の指が膣奥に入り込んでいるような感触。
しゃがみ込みたくなっても、繋がれているので簡単にはいかない。
「こっちはどうかな」
もう一つのリモコン。淵野がオンにすると、股縄でしっかり止められているアナルバイブがうなりを上げる。
その振動音は街中でも聞こえる。近くの人にはなんの音か、想像もつかないだろう。美しいが薄着で化粧も薄い姉妹の恥ずかしい下半身から聞こえてくるとは誰も思わないだろう。
それでも、姉妹にとっては世界中の人たちに、自分たちの淫らな姿をアピールしているようで全身が真っ赤になっていく。
「ああ、許してください」
「お願いします、止めて」
姉妹の悲鳴にも似た懇願に、淵野は気をよくし、スイッチを切った。
「電車の中でも大人しくしろよ」
大切な収入を生み出す姉妹だ。タクシーで移動できる。いやそうすべきだろう。が、淵野はあえて電車を使わせた。それは野外での姉妹を楽しむためだった。
おそらく河田だったらそこまではしなかっただろう。千絵の痴態を不特定多数の男たちに見せるのさえ、嫌な顔をしはじめていたのだから。
この姉妹は奴隷だ。どん底まで突き落としてもいい女たちだ。淵野はそう考えていた。だったら、とことんやる。河田はなまじ頭がいいから、甘いのだ。いなくなってせいせいした。元刑事に頭を抑え付けられていたような気がしていたのだ。淵野は新たな喜びを感じていた。
春川の命令を受ける身になったとはいえ、普段は姉妹を使い放題。おまけに二人で分けていたカネも一人占めだ。そこから真知子にいくらかのカネを渡すことになっていた。それも必要なショーの分だけ。いわば日当でいい。
電車は混雑していた。平日の昼間。学生や子連れの主婦たち。仕事の人たち。
その中で薄着の美人姉妹は、かなり目を引く存在だった。物憂げな表情。怯えたような態度。腕を絡ませて歩く姿。化粧も眉と口紅ぐらいで湯上がりのような風情。月曜の午後にしては、奇妙だった。
他人の視線を感じて、姉妹はますます恥ずかしさを募らせる。まるで全員が、彼女たちのしていることを知っているかのような気する。
いまも股縄をかけられ、2つの穴に淫具を詰め込まれているのだ。
「あっ」
「くうっ」
電車が走り出すと、すぐにローターが暴れ出した。
「そんな……」
2人は連結に近いところに寄り添って、もたれかかっていたが、暴れる淫具に素足をモジモジさせている。
「はあっ」
「ふうっ」
お尻の淫具も動き出した。
止めてくれと淵野に懇願したいが、つり革にぶらさがっているサラリーマンや学生の向こう側にいるのだ。少し離れたところから、姉妹の様子をうかがってほくそ笑んでいる。
駅を四つ過ぎたあたりでようやくスイッチが切られたが、淫らな汁がナマ足をべっとり濡らしていた。
「降りるぞ」
ようやくホームに降り立つ。崩れそうになる。今度は長い階段だ。
「あっちにエスカレーターもあるが、おまえたち運動不足だといけないからな。階段だ」
閑散とした階段を昇らされる。下にいれば、姉妹の股間はよく見える。淵野はそれを見上げながら、アナルバイブのスイッチを入れる。
「うっ」
「きっ」
とうとう姉妹は階段に手をついてしまう。
「どうした。好きなくせに」
「ゆ、許してください」
「お願いです」
「こんなところで、スケベ汁を垂れ流してるんじゃないよ。通報されるぞ」
バシバシと尻を平手で叩き、歩かせる。
その気分のいいこと。淵野はすっかり楽しんでいた。
春川が指定した店は、駅から近い大手スーパーの裏手にある古い飲み屋街の片隅にあった。表側は再開発が進んでいるのに、ここだけは取り残されている。
電車が通ると揺れるほど近い。
昼間にやっている店はほとんどない。老人向けのカラオケ店が入り口付近にあるだけだ。奥は怪しげなバーやスナックで、人影もまばらだ。
「どうだ、時間があるから、ここで一発、気持ちよくなっておくか?」
「そんな……」
姉妹の返事など待たず、淵野はスイッチオンにした。
「あああん」
「ううううっ」
人目を気にする余裕はない。2匹のメスは抱き合うようにして、悶えている。やがて欲望に弱い千絵は足を姉の股間に絡めて、手を自分のお尻にもっていく。
アナルバイブを直接、操作しはじめた。
「あんあん」
千絵は腿で姉の股間も刺激する。
「だめよ、千絵ちゃん、そんなことしたら」
桃江は小柄な千絵にしがみつく。
「いいねえ、気持ちいいんだろうねえ」
淵野の声は2人に届かない。生殺しのようになっていた快楽を、たぐり寄せるように2人は自分のものにしていく。3日間のショーの間、客に見せることばかりだった。自分たちが感じることはほとんどない。それでいて、熱くたぎらせてきた。それがいま、爆発している。
淵野のスマホが振動した。春川だ。
「まだなの?」
「いま、店の前なんですが、おもしろいものが見れますよ」

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★共用淫虐妻・千春★

DLSiteのみで販売しています。小説『十二階』一部、二部を改題・改稿した作品です。
十二階に住む達也に頼まれ、千春の調教を引き受ける。彼女の奥底にある危ういまでの被虐性を知り、厳しい調教を行う。さらに達也の提案でマンション全体の「共用」として千春を住人に貸し出す。特殊なペットとして改造にも踏み出す。語り手の調教役を男性にし、一部の表現を変更。ストーリーは小説『十二階』一部、二部と同じです。
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DMM.R18でのみ販売中。調教はマンションぐるみとなり、千春には衣服もプライバシーもなくなってしまう。住人に貸し出される人妻は、さらに苛烈な運命が待っていた。

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