露出の気分 14 情けない表情
ぼんやり眺めていたら、どうしても一番大きなところが入らないので、いったんあきらめて、冷蔵庫に行くとチューブのマヨネーズを持ってきた。
へえ。
深見ママっておもしろい。
マヨネーズをつければ入るかもしれないよね。
酸っぱい匂いが漂う中、ほとんどそれを押し込んだ。
「いかがでしょう?」
「立ってみて」
流し台につかまって立ち上がった。足を閉じることはできなくて、なんか妙な中腰。
「よく見せて」
ボクは自分から見に行かない。だから深見ママは慎重にヨタヨタとボクのところにやってきて、そこを見せてくれた。
「とてもいいよ!」
なにがすてきかといえば、奥まで剥き出しになっているから。
ボクは柄を握ってみた。
「あっ」
深見ママの驚く表情は好き。
少し引っ張ると、中がえぐれてグロテスクだけどきれい。
「ふーん、すてきだね」
写真を撮ってあげた。金属が光ってかっこいい。赤っぽい肉に食い込むワイヤーの感じ。生きている人の体とは思えなくて。手術中みたいでいいな。
そして柄を押し込む。
「ぐうう」
できるだけ深く。
「ああ」
痛いのかな。気持ちいいのかな。わからない。
その絵を描いてみたんだけど(軽いスケッチだけど)、普通のポルノな感じで、ネットによくあるイラストに近いようなものになっていて、あの場所で感じたことの半分も描けなかった。
「つまらない絵ね」
母に言われてしまった。
「写真も」
それはわかってる。
なんで、あんな風に流されてしまったのか、ボクにもわからない。
あのとき見ていた幻想の方がすごくよかった。
バラバラになった深見ママ。あの乾いていく瞳は素敵だった。乾いた血もよかった。
思い出しながらそれを描くことにした。
だからボクにとって、別荘の思い出は、その幻想になってしまうだろう。深見ママになにをさせたのか、彼女がどう感じ、どう思ったのかなんて、どうでもいいことだった。
みんながやっているようなことをやってみたとしても、それはボクにとっては時間の無駄になってしまう。やっているときは、どんな愚劣な模倣でもそれなりに夢中になる瞬間はあるけど、あとで「やっちゃったなあ」と残念になってしまう気持ちの方が大きい。
深見ママはそれを教えてくれたのかもしれない。あとは深見パパと楽しく生きていけばいいと思う。
「お願い、これを」
深見ママ、ぐしゃぐしゃの顔になっていて怖い。
これって、泡立て器のこと。一番膨らんでいるところがちゃんと入らないから、ボクにやって欲しいという。
ヤダよ、そんなこと。
「しょうがないなあ」
いやいや、手伝う。
広げた足の間にボクは腰をおろした。そしてボクの足を伸ばして彼女の腿の上にあげる。柔らかくて気持ちいい。
「こう?」
ぎゅっと押してみると、赤く開いた穴がさらに広がっていく。泡立て器に絡みついて光っている。汁が出ているみたい。
「痛い?」
「だ、大丈夫」
痛いのに。我慢してる。だったら遠慮はいらない。
体重をかけてぐいぐいと捻ってみた。
「ああああっ」
気持ち悪い声をあげる。
「うるさいなあ」
だけど、泡立て器は半分以上、中に入った。広がりすぎていた穴は、包み込むように半ば閉じた。
「これでどう? 立ってみて」
ボクは立ち上がった。
彼女は壁に手をやって、上体を押し上げるようにしながら、起き上がっていく。
その情けない表情は、ボクをうれしくさせた。
そうか、こういうのっておもしろいんだな。
「痛い?」
「痛いわ。あそこが破けそう……」
あそこが破れるとしたら、どんな風に?
首を切り落とす前に、あそこが破けるところが見たい。
だけど、それはいまではなくてもいい。ゲーッてなりそうだし。せっかく素敵な表情を見せる深見ママを写真に記録しておかないと。
「ああ、ひどい……。遊君」
甘えるけど無視。
「もっとこっち向いて」
ポーズをとらせる。
そこがぽっこり膨らんでいる。
「笑って」
泣きそうな笑い顔もいい。むりやり笑うってどんな気持ちだろう。
惨め?
ボクみたいなガキの言いなりになって、泡立て器を押し込まれちゃう。
最高だね。
ご飯を作らせて、一緒に食べて、それからお風呂に入った。
「お湯がしみる……」
お風呂の中で、泡立て器を掴んで、左右に捻る。
「泡立ってるよ」
「もう、許して」
「だめだめ」

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