奴隷未満(期間限定Ver) 14 ドキドキが止まりません
ウソでしょ! 男なんてみんな、ただやりたいだけでしょ!
なにカッコつけちゃってんのよ。
だけど、そうは言えない。言ったら終わりです。
「迷ってるの」
ちょっと酔ったフリ。顎を手にのせて、ゴロにゃん、という感じ。とろっとした目。アンニュイな雰囲気。まあ、正確にはアンニュイは倦怠感だから、わたしにはとうていムリですけど。
「どういうこと?」
「わたしがなぜ貴史様の下女になりたかったのか。それは彼なら、わたしが望むようなことを命じてくれると思ったし、そう思うだけでクラクラしちゃうほど感じてしまうし。おいしい明太子みたいなもので、ご飯三杯いけちゃう感じなのよ」
「意味、わからないよ」
「だけど、総治さんはきっといい人だと思うの。それに男らしいし。カッコいいし。理想的な恋愛対象。もしも、総治さんにも貴史様的要素があって、つまり明太子的要素があって、ご飯三杯とまではいかなくても、二杯ぐらいいけそうなら、それはもう断然、総治さんとお付き合いしたいの! だけどいまのところご飯に合う感じがしない……。そうよ、総治さんは明太子味のうまい棒みたいなものなの!」
バカみたいなことを言っていると思います。確かに、わたしはバカです。だから予備校に来ている。しかも勉強よりも下女修業が主です。
それに、うまい棒だなんて。彼のあそこを連想させるセクシャルなサブミナル効果。
「お願い。こんなところで時間を潰すよりも、総治さんが、わたしの総治様なのか、ただの総治君なのか。その違いを知りたいの! 明太子の味がちゃんとするか、試したいの!」
声が大きすぎたらしく、騒々しい居酒屋なのに店員さんや客がわたしを見ています。
「てへ!」
笑ってごまする。いえ、ごまかす。
「だけど、君の気に入る命令とか、ぼくはよくわからないし」
「総治様の思うとおりのことでいいの。たとえばここで、パンツを脱げとか、オッパイ出せとか、床に土下座しろとか……」
ちらっと下を見たら、茶色い昆虫がささっと通過していきました。
「総治様。どうか、ご命令ください」
わたしはそう言うと、「はい、万結はいまから土下座します」と宣言して、床に正座しました。
「あ、おい、やめろよ」
「総治様。申し訳ありません。どうか万結を許してくださいませ」
額を床に押しつけました。
なんという快感……。これは仮想・総治様のご命令。ですが貴史様のご命令の間接的なご命令なのですから、たまりません。あそこがジュンジュワーっと。
「やめてよ。ね、頼むから」
「では、万結を連れていってくださいませ」
「わかったよ、わかったからさ」
「ありがとうございます! 総治様!」
彼に飛びかかる。雌猫のように。そしてギュッと体を押しつける。プニュプニュの奴隷体型は、わたしが勝手に妄想している中では理想的なのです。愛菜さんみたいなスレンダーでボンキュッボンな人は、もうなにをしたっていいんです。だけど、本当の奴隷体型は、少しだらしがないぐらいがいいんじゃないか。
なるべくしてなっている体ですけど。
ただし、オッパイだけは少し自信あります。確かにボンデージショップのおかまの店員や貴史様にはからかわれましたが、発展途上にあるのです。間違いなく。巨乳になる素質充分です。わたしは信じています。根拠は柔らかさ。マシュマロパイなのですから。
こうしてわたしたちは無理やり、駅の反対側にあるホテルに入りました。「休憩」をするのです。
やったね!
「総治様。どうか、よろしくお願いいたします」と、狭いホテルの部屋でお願いしました。女に恥をかかせるんじゃないわよ的な気分ですが、表面的にはあくまでも、しおらしく。
「お風呂、入りましょうよ。あーん、すっごく恥ずかしいわ」
自分で言っておきながら。
ストリップのように服を脱ぎます。彼はベッドに腰かけて呆然。
どこかで見た顔だわ。
あ、間違った映画館に入ったときね! 感動巨編のつもりでチケット買って席についたら、お下劣なコメディーがはじまったみたいな。吹き替えなら、敬愛すべき山寺宏一さんが思い切り素っ頓狂にやるみたいなやつよね。テレビで放送できない「ピー」ばっかりのコメディーね。
だけど、なんだか美女が出てるのよね。そういう感じの……。
「え! 一緒に? やだー、いきなり? 恥ずかしいー」と言いながら、わたしは彼のシャツのボタンに手をかけるのよ。
恥ずかしがる彼を連れてお風呂に。お湯を溜めるのを忘れていたので、もうシャワーでいい。
「ギャー」
水が出ちゃった。
脅える彼に「大丈夫よー」と慰めながら、お湯を確認して二人で浴びるんだけど、彼はなんだかガタガタが止まらないの。その分じゃ、水泳の授業は見学する気? 唇が紫?
だめ、見学なんて許さない。
ちゃっちゃとシャワーを終わりにして、バスタオルで拭きながらベッドに倒れ込み、わたしは彼を愛撫する……。思った以上に分厚い胸板。鍛えられた筋肉。顎のラインもカッコいい。
あれ? マジに総治さんが、総治君じゃなくて、総治様になってきちゃった。
さっきのでまかせが、本当になったら?
どうしようー。「貞女は二夫にまみえず」などと申しますが、「さだおんな」じゃないよ、「ていじょ」だよ。貞淑な女性。理想の女性だった時代があったわけよね。再婚禁止ってことよね。忠臣は二君につかえず、なんてもいうか。主君を失ったら切腹しちゃうのよね。殉死って言うんだっけ?
だけど、いまじゃ、下女は二主にまみえることはできるか? 貴史様の下女でありながら、総治様の奴隷って、ありえる? ありえなーい。
「ふわー」っと妙な悲鳴を上げていた自分。
左手が彼のあそこにもろに当たったから。
見ないようにしていたけど、でっかい。
うわー。どうしよう。艦長、敵は思った以上に巨大であります! 総員、心してかかるであります。処女には大きすぎる獲物であります。
はじめてなのだ、ということさえ、この瞬間まで忘れていたのであります。
ドキドキが止まりません。
自分で撒いた種です。いえ、正確には種を蒔くのは彼ですが……。それをわたしに撒き散らしてもらうための手順って、どうなってたか……。
頭が真っ白。
「万結ちゃん」
彼はわたしの肩をつかみ、ベッドに押し倒しました。そしてキス。
ふうううううう。マジすげー。
愛菜さんは貴史様とこんなことをしているんでしょうか。まさかあの工場で見たような拷問だけってことはないわよね。あのあと、「愛菜。君の涙はドンペリの味がするよ」とか言っちゃって、ぺろっと涙を舐めてあげて、疲れ果て、傷だらけの愛菜さんをお姫様抱っこして、ベッドに連れて行くんだわ、この野郎!
「君の血はロマネコンティの味がするね」なんて傷口を、一つずつキスして回って……。貴史様。スケベすぎます。
「はあああん」
総治様の手がわたしの股間に触れています。そして彼の巨大うまい肉棒がわたしの腿にぐいぐいと当たります。もしかしたら、足の裏かくるぶしかと思って、チラッと見たら、やっぱりあれでした。
ギンギンです。カッチカチです。
「万結」
「総治様」
彼は狙いをつけて、ぐいっと入れてきました。逃げられません。逃げたくありません。艦長、敵は総攻撃をしてきたであります。白兵戦であります。銃剣をつけるであります。
「あ、あれ、つけてくださいね」

★便所虫の歌★

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週末にマリカとして苦痛を求めてさまようOL。掲示板で出会う相手の要求のままに、激しい苦痛にもだえ苦しむ。その間の記憶は失われ月曜には勤務先に出社する。そこに別のマリカが挑戦してきた……。どちらがホンモノか決着をつけることに。負ければ永久便器となる。
★折檻部屋の風夏★

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父母を香港のゴミ焼却所で惨殺された風夏は、大金持ちから一転して逃げ回る生活に。最後に学生時代の女友達を思い出して訪ねる。卒業前に奴隷になると誓っていたのだ。だが女友達は風夏に過酷な指令を出し続ける。ノワール風味の漂う作品。

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