奴隷未満(期間限定Ver) 17 追放
でも、いいんです。
昼休みしかないのです。
彼女が福田を呼び出してくれました。
「二人だけで話がしたいんだけど」
「向こうの公園ならいいわ」
福田はまったくビビっていません。強そうです。
公園は天気がよければお昼を食べる人たちもいますが、今日はそれほどよくもなく、地面も今朝の雨で濡れています。
「お願いがあるんです。福田さん」
「なによ」
「わたしが悪かったんですよね?」
「ああ。まあ、お互いだけど。あんたの暴力はひどすぎるわよ」
その後、被害についてくだくだと言われました。痣、打ち身、擦り傷、精神的苦痛……。
「すみません」
「わかった。謝ってくれればいいわ」
「あ、だめ。謝っただけじゃダメなの」
「なによ。まだなにかやる気?」
「お詫びしなければ……」
「いいわよ、そんなの。大した話じゃないから」
「違うんです。お願いです。わたしをお仕置きしてください」
「?」
福田さんは理解できていないようです。
「いいですか、よく聞いてください。わたしは貴史様の下女です。そして今日はご命令を受けたのです。百発、この定規でお尻を叩いてもらいなさいと。だけどあてにしていた相手の人がいないのです。そこで、お詫びを兼ねて、福田さんにやってもらうわけにはいかないでしょうか?」
「ヘンタイ?」
「いまの言葉は聞き流します。メリットがあります。これを見てください」
わたしは恥も外聞もなく、総治にお尻を叩かれている動画を彼女に見せました。
「ヘンタイ!」
「その言葉は聞かなかったことにします。この動画、貴史様がご覧にりました」
「え! 岡本先生が!」
「そうです。報告は貴史様にしますので」
「ということは?」
「和田じゃなくて福田さんのことを貴史様にもお伝えすることになります。貴史様のファンクラブのリーダーとして活躍されている福田さまのことを、しっかりお伝えすることになります」
「やるわ」
早い。
「時間がありません。百発ですが、大丈夫ですか?」
「ええ。どこで? ここで? いいわよ」
「お願いします」
「わたしが動画も撮るってことでいいかしら?」
「お願いします」
公園のベンチに手をかけて、お尻を突き出すかっこう。アンダースコートをずりおろし、彼女に定規を預けます。
「いくわよ!」
「お願いします」
うわっ。彼女の力は思ったとおり、数学教師並み。ビシッと音を立てて定規が食い込むと、悲鳴も出ない痛さです。
「黙ってないで、自分で数を数えな!」
お、福田さん、やるね。
「はい。一、二、三……」
ときどき福田さんは手が怠くなるのか、しばし中断します。だけど中止にしようとは言いません。
「なんか、おもしろいわ、これ」
「福田さま、ありがとうございます」
公園はあまり人通りもなく、いまにも雨が降りそうですが、数分かけて百発、きっちり打ち込んでもらいました。
「お仕置きいだたき、ありがとうございます」
濡れた地面で土下座しました。
「ちゃんと私のこと、岡本先生に言ってよ。約束よ」
「はい。間違いなく」
その後、講義に出ましたが、きちんと座れないほど痛くて、さすがに定規での百叩きはきついものでした。だけど、なんとかクリアしたうれしさで、ニヤニヤが止まらないのでした。
「ふざけるなよ」
貴史様は、総治以外の人に叩かせたことにご立腹なのです。
「でも、総治がいないから……」
「だったら、誰に叩かせてもいいのかよ。違うだろ」
「はい。すみません」
ちょっとふてくされた感じの返事になっちゃいました。必死にやったのに、めちゃくちゃ怒られるなんて……。お尻も痛いし。こういうの、踏んだり蹴ったりって言うんだろうなあ。
ああ、貴史様になら、踏まれたり蹴られたりされたいのに。
「おまえはぜんぜん、わかっていないな」
「でも……」
パーンといい音がしました。
平手打ち。ビンタです。
呆然となってしまいます。
「おまえなんか下女失格だ。追放だ。出て行け」
「えー」

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