奴隷未満(期間限定Ver) 26 クセだらけ
なんだ、そのサークルってさ。さっきからずっと引っかかってるんだけど。武術なら「道場」とかじゃないの? サークルってなに?
「もはや、万結に選択の自由はない。洗濯はさせてあげるけど。奴隷なんだからね。わたしのパンツを洗いなさい!」
なんて日だ!
わたしは立ち上がったのですが、その瞬間に移動してきた彼女によって裸絞めにされました。力。そして速度。これが宇宙を支配しているのです。彼女は力はわたしより弱いかもしれないけど速度は圧倒的です。その速度と技で圧倒されているのです。
悔しい。
だけど、なんでわたしが彼女のパンツを洗うのか……。
一応、整理をしておきますと、貴史様の奴隷になりたかったのに、すでに愛菜さんという奴隷もいるしわたしはそもそも彼にとっては生徒でもあり、下女ならということになったのに、下女もクビになり、おぞましい数学講師の松木の奴隷になりそうになったところを断固拒絶し、結果、総治様の奴隷になって、貴史様の下で修業する、という話になったはずです。
いま、この武闘派の女の奴隷になったら、貴史様の下で修業することができなくなってしまうじゃないですか。
「ぐううう」
彼女の細い腕が喉に食い込んで苦しいのですが、両手両足が自由でも、そこから抜け出ることができません。
「総治さん、それでいい?」
「はい。わかりました」
こういうときだけ、スマホを見ていない総治。
あなたの巨砲を慰めることができるのは、わたしだけなんだよ! いや、それは違うかもしれないけど、とりあえずそう主張してもいいだけのことはしたよ!
少し食い込みが緩みました。
「なにか言いたいことがあるの?」
「わたし、総治様の奴隷になって、貴史様の下で、修業する、ことに、なってるんです」
「貴史様? 誰?」
さっきダイジェストした事情をいまこの女に語るのはあまりにも面倒です。
「とにかく、あなたのパンツを洗うのはムリ」
「あら、そうかしら」
「ぐえっ」
再び喉が絞められて、このまま頸動脈も圧迫され、落とされそうです。呼吸ができないし。思うようにならないし。エネルギーがすべてどこかに流れ出してしまっていく感じです。
助けて。総治様。ここでかっこ良く、決めてください。
ああ、どこへ行くの。ゲートを抜けて行く。エレベーターに乗りに行く。行っちゃうの、総治。あなたの奴隷はここにいるのよ。奴隷、いりませんか? 奴隷、あると便利だよ。ねえ、総治様。総治さん。総治君。総治、コノヤロウ!
「気がついた?」
わたしはソファーに寝かされていました。見上げると低い天井。ロビーではありません。ここはどこ? わたしは誰?
「あっ」
全裸だ……。
「気がついた?」
小顔の彼女。ピンクのタンクトップと思ったものは、ハイレグのレオタードでした。細いけど、引き締まった肉体。長い足。男が望むフィギアのような肢体。
「な、なんで?」
両手首は、それぞれ、頭の上の方でソファーの足に絡めた手錠をつけられ、足首には縄が食い込んでいました。
「暴れないように、よ」
「ひどい……」
「奴隷なんでしょ、万結」
ちくしょう、こいつの名前が思い出せません。
「ここは?」
「知る必要なし。それより、このことを、すべて話してくれない?」
ひらひらと奴隷誓約書を振りかざす彼女。
「誘拐ですよ」
「それは違うわ。あなたが突然、ロビーで倒れたので介抱してあげたのよ」
「介抱って……」
「息苦しいといけないから、体にまとっているものはすべて外してあげたわ。あなた、処女じゃないのね」
「うっ」
意識のない間になにをされたのでしょう。
「ふふふ」
気付けば、彼女は薄いゴム手袋をしているのです。
「だけど、お尻は経験がないみたい」
「あっ」
そこまでも……。
たしかにヌルヌル感があるのです。わたしの淫液のわけがなく、彼女がローションかなにかを塗って……。
「奴隷の身体検査は当然でしょ?」
「酷いじゃないですか」
締め技で落とされて、そのままここに運びこまれ、彼女に触診されていたのです。
もしかすると、これまで出会った中で最強のド変態なのかもしれません。こんな可愛くて美しくて小柄で男好きのする女なのに、ド変態。救いようがありません。わたしと同じです。あ、ド変態以外はかなりの差がありますけども。
そりゃ、彼女のようにどこに出してもおかしくなく、モテモテでおじさまから若者まで自由に手玉に取れるような自信はわたしにはありません。下女さえも失格ですし。
もしも彼女が貴史様と出会ったら、どんなことになるでしょう。
ド変態のかっこいい予備校講師とド変態の美しい研究所秘書。
あ、なんか、そっちの世界に行きたい……。わたしをすべて捨ててでも、そっちに行きたい……。
それはまちがいなく、わたしにとってこれまで感じた中では最大の嫉妬でした。
これだけあからさまに差を見せつけられるとは……。
「酷いこと、されたいんでしょ? 奴隷ちゃん」
福田さんとの微妙な同性との感覚を遥かに越えてきた感じです。
「わたしは厳しいわよ、奴隷には」
「いやです!」
「泣き叫んでも誰も助けてはくれないでしょうね。この岡本貴史って人は誰なの? どうして総治さんの奴隷になっておきながら、修業はこの人の下で行うなんてわざわざこれに書いて置いたわけ? 共有の奴隷ってこと?」
だから、それを話すのは面倒なので、話の最初から読み返してほしい。
「もしも、彼らの共有なら、わたしだって参加できるわけでしょ?」
「関係、ないじゃないですか!」
「いいわ。あなたが言いたくなければ、わたしが直接、交渉します」

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