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いいなりドール 42 雪子を殺すことを約束させたのだ

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「おまえの母。雪子は、まみやづかの会の『いいなりドール』として、健介とおまえを産んだ。その段階で、おまえたちはまみやづかの会の残党となり、能未堂の社員となったのだ。健介がどうしていきなり15億も手に入れたと思う?」
「あれも?」
「当たり前だ。仮想通貨は能未堂のビジネスの一つだ。健介はあまり上手じゃなかったが、運がよくてそこそこの成功をした。その後の大成功と思っていることはぜんぶ、こっちのお膳立て。彼がネットで連絡をしていたのは小向たちだからな。小向たちは、健介に源蔵を巻き込んで会社を作るようにそそのかし、雪子を殺すことを約束させたのだ」
「どうして、母を殺すんですか!」
「危険な存在になったからだ」
「危険って……。ぜんぜん、わからないじゃないですか。なにが危険なんですか」
 いろんな人とセックスし歩いて、ブランド品を買い漁るって。確かに普通はしない危ないことではあるけど。
「実際に、ジェローム・メンドーサと接触した」
「あっ」
 あれは偶然ではなかった、というのでしょうか。
「こちらの情報をヤクザに売り渡す。引き換えに自分の安全を守ってもらう。そんなところだろう」
「だけど、小向の片方とも……」
「こちらから差し向けたのだ。雪子は並の『いいなりドール』じゃない。最高クラスの『いいなりドール』だ。彼女の人生は、ほぼ『いいなりドール』としてしか生きてこなかった」
 何度も「いいなりドール」とコイツは言うけど、それがそもそもなんなのか、意味がわかんないし。
「順序立てればわかる。雪子は『いいなりドール』だ。スパイの源蔵と疑似家族を形成した。しかし、まみやづかの会と縁を絶ち、われわれとの接触も拒んでいる。われわれの関係者とは接触せず、見知らぬ連中とばかり接触してきた」
 つまり、セックスですね。母は、源蔵と暮らすことになってスパイと同居する中で、元の組織とは接触しないで勝手なことをしてきたというわけでしょうか。
「いいか。『いいなりドール』とは、あらかじめ自分たちの仲間と肉体を共有する悦びがプログラムされておる。そのときに仲間を拒絶したがために、とにかく誰かと肉体の共有をせざるを得なくなった。そして、自分でも自分を止められないことに怯え、恐れ、われわれには頼らず別の組織に頼ろうとした」
「それが、メンドーサ」
 そんな面倒さ。
「こちらは、雪子がダメなので、健介に接触していたのだ。いずれ、おまえにも接触する予定だった」
 そうしたら、わたしが、二代目いいなりドールを襲名するってこと?
「もう、わたし、プログラムされてるんですか?」
「まさか。あんた、今日、はじめてここに来たじゃないか」
 でも、妙な液体を口に押し当てられて、それから記憶が飛んでるもの。
「いまの時代、大事なことはダイバーシティ。つまり多様性を受け入れること。そしてシェア。独占ではなく共有すること。『いいなりドール』は触媒の役目を果たす」
「しょくばい?」
 職業、売(ばい)。売春ってこと?
「触媒とは、それ自身は変化はしない。あくまでも、他の物質の変化を加速させるだけだ。しかし、大事な働きなのだ」
「その方面は苦手です」
 習った記憶もないし。
「雪子はわれわれの次の代を作るという大事な仕事をしたのち、触媒として、バラバラに活動している能未堂の連中の間を動きまわって、いろいろな活動を促進させる役割があったのだ。なーんにも、しなかったがね」
 しなかったのには理由があるのではないでしょうか。
「わたしたちが、母とメンドーサのいる部屋に行かなかったら?」
 そのとき、ジジイは大笑いをしました。
「そうだ! おまえ、最高だよ!」
 わたしに抱きついてきて、頬にベタベタとキスをしました。臭い。
「メンドーサの頭をぶっ飛ばしたんだって? さすが『いいなりドール』の娘だよなあ。いい腕だ」
 あの時はパニクってたから。よく覚えていないし。
「おまえにも『いいなりドール』のプログラムが多少は植え付けられているのかもしれない。考えることはない。悩むこともない。無意識に選択し、判断し、行動する。それが『いいなりドール』。神のいいなり……」
 ジジイは遠くを見ます。そこに神がいるかのように。
「われわれにはキャッチできないシグナルを、自分でも気づかぬうちに処理して行動に移すことができる」
 わからないこと、信じられないことを、知らないうちに身につけさせてしまうことを洗脳というのかもしれません。
「さて。これからが大変だ。戦争になったら、おまえは戦わなければならない」
 いやです。反射的にそう思って、念力をジジイに照射しましたが、なにも変化は起きませんでした。
「この戦いは、おまえが経験した小向たちとヤクザのいざこざみたいなわかりやすいものではない。なにしろ、われわれは分散した、いわばつながりのない組織だ。そして敵は、警察という組織に隠れた見えない存在だ。関ヶ原の戦いのように、一斉に敵味方がぶつかるようなことはない。いつか、どこかで、突然敵とぶつかり戦争が起こる。一対一か、二対一か。相手は優位に立つために、おそらく2人以上で攻撃してくる。それでも、目立ちたくないものだから、4人とか5人ではない。たとえば、おまえには、母の雪子や兄の健介が敵として差し向けられるだろう」
「どうして……」
 あ、聞く必要はないのでした。捕まってしまった母や兄は、いま敵によって洗脳され、今度はわたしたちをやっつけるために世に放たれるのです。
「小向たちは武器の開発や試験や製造で忙しいので、これ以上、おまえと行動を共にするわけにはいかない。だからここに戻ってきた。おまえには最小限の訓練と武器を与える。そして仲間との連絡の取り方をな。いざというとき、おまえも近くにいる誰かの助けがいるだろう」
 それが間に合えばいいのですが……。
「小向たちが開発している武器は、ほとんどが使い捨てで、一定の働きをしたら壊れてしまう。彼らは機能や精度は追求しているけど、信頼性は万全とは言えない。やつらが身につけている本物の武器とぶつかったら、負けてしまう」
 負けちゃうんだ、あっさりと。
「戦い方が重要になる。少しでも勝算のある時だけ戦う。ほかは逃げる。いいな。逃げるんだ」
 なるほど。その手があったか。って、それじゃ勝てないじゃない。
「弱い者が強い者に勝つには、自分たちが少しでも有利なときしか戦わない強い意思と判断力が必要になる。それは、いまからおまえに教えても一生かかっても身につかないだろうから、そんなことは期待していない。戦うか逃げるかは、迷ったら私に聞け」
「どうやって?」
「だから、それをこれから教える。簡単にいえばスマホのSNSだ」
 なんだ、秘技とかなにかあるのかと思っちゃった。
「ただし、これが作動していると、ネットは使えない」
 えーと、誰だっけ。そうそう、橋妻光陽という親父は、ピタピタとそそり立つオブジェを平手で叩いたのです。
「その時は?」
「あきらめてくれ」
 でしょうね。
「われわれのもっとも大切な教えだ。『個は衆に勝る』だ。最後の1人になっても、自分の信念を通し判断し行動する。最初から他の人をあてにしていたのでは、個の力は発揮されない」
 勝手にやれ、ということでしょうか。だったら組織はいらないですよね。
「個のパワーを集めて速しモアベター」
 なに言ってるのこいつ。モアベター? シアバター? エシレバター?
「つまり、ミユキもまず、自分というものを持たなければならない。自分があって、はじめてみんなと協力し合うことができる。ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン。おまえのオールを任せてはいかんのだ」
 気が狂いそうです。JASRACに怒られるでしょうか。
「漕いで漕いで、自分で漕ぐのだ」
 だけど、彼女は、中島みゆきの別の歌を口ずさむのです。
「それは、『家なき子』の曲だ」と彼は指摘します。
「ふふーんふ、ふふふふふ間には……」
 歌詞を覚えていない。


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1970年代からのSM小説を読み、書き。「仲ゆうじ」などのペンネームで「SMセレクト」などに小説を書かせていただいておりました。
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