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隣の肉便器さん 2 素敵よね、燃えちゃう、わたし

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 美希に「カバ」と言われて笑われた男に、翌朝、出会った。
 日曜日の朝。9月の空はまだ夏のようで、晴れ渡って気温はかなり高くなっていた。
「台風が来ますかな」
 野太い声を背後から受けて、ビクッとした。
 それが館川修だった。大きな体が共鳴するからか、360度スピーカーのように全方位的に彼の声は響く。
 メールボックスからいつの間にか大量に入れられていたチラシを取り出し、その間に重要な郵便などが混ざっていないかよりわけていたところだった。
 細長い郵便受けの並んだ空間は行き止まりで、その出入口を大きな影に塞がれた。
「いま、終わりますから」
「いえ、ゆっくりやってください」
 そう言うと彼はロビーへ歩いていった。
 最近のマンションにしては地味なロビーで、植栽もなければソファーなどもなく、ただエレベーターを待つだけにしては広すぎる。そこを彼が歩いているのだが、彼がいるとそれほど広いとも感じない。
 僕は急いで仕分けし、不要なチラシを集めている箱にガサッと突っ込み、結局必要そうなものは、妻宛に届いた美容品通販のセールのお知らせぐらいだったので、ロビーに出た。
「終わりました」
「ああ、すみません」
 彼は急ぐわけでもなく、鷹揚に動き出すのだが、1歩がそもそも大きいのであっと言う間に狭い空間に入り込む。機敏だ。分厚い体もちゃんと入る。ただ彼のメールボックスは下の段で、屈むときに窮屈そうだった。
 カチャッと開いたボックスの扉と比べると、彼の顔は大きい。
 エレベーターが降りてきたので、そのまま乗ろうとしたときだ。
「三橋さん」
 声がかかった。
「はい」
 彼の言葉はなにげなく、だが、人を従わせる響きが備わっていた。
 そういう人間になりたいと思ったけど、僕はムリ。
「先日、奥様にお会いしました」
「そうですか」
 いや、そこは「だそうですね」とすべきだったけど。なんだか少し戸惑ってしまった。
「お聞きになっていませんでしたか?」
「なんでしょう」
「お見受けしたところ、うちのと同じぐらいの世代ですよね。私らちょっと年が離れてましてね。うちのやつも、あなたたちのような同世代の方と仲良くなりたいって言うものですから」
「はあ」
 大きさと怪異な顔つきに目がいき、改めて彼はひと回り、いやふた回りは世代が上かもしれないと気づく。
「私、これでも店を都内にいくつか持っていましてね」
 僕に近づいてきた。一緒にエレベーターに乗ることになる。彼は仕分けはせず、チラシもなにもすべてをそのグローブのような手で握りしめていた。
「三橋さんご夫婦を招待したいと思っているんですわ」
 妙な関西弁風のしゃべり方。だが、関西人ではなさそう。商売に役立つ話法なのだろうか。
「はあ」
 そんなこと、美希はなにも言わなかった。
「急なんですが、今日、お時間ありませんか? 日曜日も夜は店も暇なんで、いい席をご用意できるので」

 いい席もなにも、僕も美希も、半円形の革張りのソファーに固くなって座っていた。
 六本木の坂の途中にある店は、地下とは思えない空間だった。
「ヤバイんじゃないの?」と美希が囁く。
「ヤバイかな」
 館川という男はヤクザかもしれない。ヤクザではないとしても、ヤバイ人かもしれない。この店ではなにかしら、ヤバイことが起こるんじゃないか。
 小さいながらも円形のステージがあり、それを囲むようにソファーが並ぶ。ただし、ホステスなど横に座るような女性はいない。店員は若い男性で黒い蝶ネクタイをし、よく見るとアジア系の外国人だった。
「いやあ、すんません、すんません。ちょっと店長と打ち合わせしとったものだから」
 館川とその奥さんがやってきた。館川はその巨体にオーダーしたにちがいないカッターシャツで襟元を大きく開いて、胸毛の存在をちらつかせている。サスペンダーでズボンを吊っていた。
 奥さんは、シャンパン色のキラキラとした裾の長いドレスに、ブランド物のバッグを抱えている。胸の谷間からスリットが腹部近くまで細く入っていて、そこに手を入れたら枝豆のように簡単にオッパイが飛び出しそうだ。
 美希の向こうに館川が、僕の横に彼女が座り、挟まれてしまった。
 店員がドンペリを持ってきて上品に音を立てて栓をぬくと、グラスに注ぐ。いかがわしい店というよりは、ホテル的なサービスだった。
「では、これもなにかの縁ですから、よろしゅうお願い申し上げます」
 どんどん勝手に進んでいく。
 テーブルにオードブルが並ぶ。シュリンプカクテル、伊勢エビの刺身、ローストビーフ、スモークサーモン。このあたりもホテルっぽい。
「まあ、すごいわ!」
 美希ははしゃぐ。
 よくこの場で楽しめるな、と僕は感心する。
「いただきましょうよ」
 ある意味の過剰適応。彼らがそのほうが喜ぶだろうと計算して美希はテンションを上げているのだろうか。
 そもそも館川夫妻から誘いがあったことを美希は言わなかった。それでいて僕が尋ねると「行きましょうよ」と積極的だった。
 なんだろうな。こういう世界に憧れでもあるのだろうか。もっとも美希は栃木県宇都宮で生まれ育ったものの、お嬢様育ちで、僕と出会ったときから好奇心旺盛の世間知らずではあったけど。
 だから僕は結婚できたし。
 彼女は僕が勤めているIT系のベンチャー企業について事業内容をまるで知らずに気に入り、僕が広報の地味な仕事をしていると知ると、勝手に広報はいい仕事だと勘違いし自分も別の会社の広報でバイトをはじめたぐらいの子だ。
「サッカー観戦」と美希が怪人、いや館川に答えていた。
 それで出会い、いまも共通の趣味。広報にいると、チケットが入りやすい。ただし、特定のチームの試合とはいかないので、僕たちは贔屓のチームを刻々と変えてしまうトンデモなファンである。
「うちの会社はスポンサーとかはやっていないんですけど、たまにお付き合いでチケットが流れてくることがあって……」
「埼玉や横浜や味の素とか、見に行くんですよお」と美希。
「サッカーは雨でもやるから大変よね」と館川妻。
「そう、雨、けっこう降られるよね、私たち」
 だから、それがきっかけで付き合ったんだってば。
 美希はいわゆる隠れ巨乳で、濡れることではじめてそれに気づき、僕はそこから猛烈にアタックし続けたのだ。
「はじまりますよ」
 館川が告げると、店内は少し暗くなる。ステージにスポット。そこに鏡のように光るポールがある。
 音楽が激しく鳴り響き、半裸の美しい女性が飛び出してくる。
 拍手。
 客が少ないけど、そもそも音楽が大きいのでどうせステージには届かない。
 外国の女性のように目鼻立ちのくっきりした筋肉質の女性は、ポールダンスをはじめた。
 そのステージの間、僕たちは無言だったが、なぜか館川妻の手が僕の太ももにあった。
 わざとらしく振り払うなんてことは社交的にもできないし。だからといって積極的にその手を握るってこともしにくいし。
「素敵よね、燃えちゃう、わたし」
 まさか館川妻が僕の耳にそう囁くなんてことがあるとは信じられないし、彼女がぼくの腕に乳房を押しつけてきたりするから、めちゃヤバイ。
 隣に奥さんがいるのに浮気するってあり?


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★共用淫虐妻・千春★

DLSiteのみで販売しています。小説『十二階』一部、二部を改題・改稿した作品です。
十二階に住む達也に頼まれ、千春の調教を引き受ける。彼女の奥底にある危ういまでの被虐性を知り、厳しい調教を行う。さらに達也の提案でマンション全体の「共用」として千春を住人に貸し出す。特殊なペットとして改造にも踏み出す。語り手の調教役を男性にし、一部の表現を変更。ストーリーは小説『十二階』一部、二部と同じです。



★小説『十二階』第一部★
十二階第一部
DMM.R18でのみ販売中。とあるマンションで人妻を徹底調教する。千春は夫の決断で同じマンションに住む敏恵に調教を委託することになった。激しくも甘美な調教で、昼夜を問わず若妻は被虐にどっぷりと染まる。



★小説『十二階』第二部★
十二階第一部

DMM.R18でのみ販売中。調教はマンションぐるみとなり、千春には衣服もプライバシーもなくなってしまう。住人に貸し出される人妻は、さらに苛烈な運命が待っていた。



エピキュリアン1


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