奴隷未満(期間限定Ver) 4 罰として
額を床にこすりつけるようにお礼をする彼女。
みっともない姿だと思う人もいるかもしれません。
でも、わたしには美しい光景に見えたのです。この喫茶店の中二階は薄暗くて、天井も低いのです。そのせいか、余計に現実とは思えず、魅入ってしまいます。
「立て」
「はい」
彼女がやっと立ち上がります。すらっとした美人です。
「外してやろう」
貴史様はポケットからキーホルダーを取り出しました。いくつもの鍵を持っているようです。部屋の鍵、車の鍵、ロッカーの鍵、ほかになんの鍵かわかりませんが、十個ぐらい。
そこから一つ、選びました。
その間に彼女は、ワンピースを自分でまくりあげていきます。
わたしがいることを気にしている様子はありません。それどころではないのでしょう。
貴史様が身を乗り出して、彼女がめくったワンピースの下は見えなくなりました。
なんだろう。なにをしているんだろう。
ドキドキです。
見ちゃいけないとは思いますが、アイスが溶けていくけども、手が止まってしまいます。
カチャっと音がしました。なにかを脱いでいるような仕草。
「ありがとうござます」
「さっさと行ってこい」
ワンピース姿の彼女はあっという間に階段を降りていきます。
入れ替わりに店長が上がってきました。喫茶ロダンは母娘で経営していて、娘さんといっても五十代近いおばさんですが、やってきて、わたしを見つけるとニッコリしました。
慌ててやってくると、「ありがとうねえ」と彼女が言うのです。
「はあ」
「総治君。ずっとあなたのことが気になっていてね。どうしようか、声をかけようかとか言っていたのよ。一緒にお芝居、見に行ってくれるのね。ほんとにうれしい」
「はあ」
「あなたはどこかのお嬢さんでしょう? いいお家の方よね。総治君は普通のサラリーマンの家の子で、とってもマジメなの。うちの遠い親戚だから安心してね」
「はあ」
「とにかく、よろしくお願いします」
「はあ」
おばさんはどたどたと帰っていきます。
はあ。
ため息をついていると、ふと視線を感じました。
貴史様。
ニヤニヤしながらこちらを見ていたようです。いまはもう向きを変えるところ。
恥ずかしいほど声の大きな店長ですから、筒抜けだと思います。
運命は残酷です。
手紙を出すタイミングはいましかない!
わたしはバッグから手紙を出しました。わたしと貴史様だけなのです。こんな偶然はそうそうあるものではなく、「いまでしょ!」の声が聞こえてきます。
立ち上がりました。
そこに階段の軋む音。
ゆっくりと戻って来たのは彼女でした。
「いっぱいしたのか?」
「は、はい。ありがとうございました」
また正座して頭を下げるのです。
「甘ったれるんじゃないよ。こんなことが何度もあったら、おまえを捨てるからな」
「すみません。二度としませんから」
ガマンできないわけじゃなくて、彼女は貴史様に会いたくて来たのです。わたしも女ですから、それぐらいはわかります。わざとやっていて、貴史様もそれがわかるので怒っているのです。
だけど、貴史様を怒らせると、捨てられてしまうのです。
「鍵」
「はい」
彼女は立ち上がり、ワンピースをまくりあげました。立ち上がっているわたしと目が合いました。
彼女がハッとしました。
貴史様がこちらを見ます。
「大丈夫だ。うちの学生だよ。誰かに見られたくて来たんだろう?」
「そんな……」と彼女はうろたえています。
「見せるんだよ。罰として上までたくしあげるんだ」
「は、はいぃぃ」
泣きそうな声。でも、彼女はワンピースをさらにたくしあげたのです。ほとんど脱いでしまうぐらいまで。
その下は全裸だったのです。
ふくよかなバスト。くびれた腰。痩せています。肋骨が浮き上がっています。あちこちに、青い痣があります。赤い傷跡もあります。
なにをされたのでしょう。
乳首が大きく突き出ています。そこには銀色の小さな指輪ぐらいの大きさの金属のリングがついています。女性の大事な部分なのに、その金属は乳首を貫通しているようです。
そして股間。無毛です。完全に剃っていて、性器が剥き出しになっていますが、そこにもリングが見えています。
「向こうを向け」
「はい」
背中はさらに傷と痣がたくさん。とくにお尻は幾筋もの黒い跡がついていて、ボロボロと言ってもいいほどです。
肩胛骨に沿って、小さな文字が刻まれています。
「淫乱性奴隷 愛菜 所有者 随時募集中」と見えます。
ワンピースを持ち上げている手が震えています。顔を隠しているのですが、どんな気持ちなのでしょう。
脇の下にはなにか黒い印もついているようですが、よくわかりません。むだ毛はまったくありません。
「こっちを向け」
貴史様が黒いベルトのようなものを持っていて、彼女は裸をさらしたまま、それに足を通しました。腰まで引き上げて、貴史様は乱暴に締め付けると、大きな南京錠をガチャリと閉じました。一つではないのです。三つの南京錠がついていました。

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亜由美の拷問実験を目撃させられた美しき女子大生・安里咲。後継者として目をつけられ、女子寮のペットに。寮長たちによる過酷な調教が彼女を被虐の快楽に引きずり込みます。
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